前代未聞の子役退場…蔦重らを守った唐丸に衝撃【べらぼう】
江戸時代のポップカルチャーを牽引した天才プロデューサー・蔦屋重三郎の劇的な人生を、横浜流星主演で描く大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)。2月2日放送の第5回「蔦(つた)に唐丸因果の蔓(つる)」では、ドラマのアイドル的な存在となっていた謎の少年・唐丸が思いがけない形で退場。捨て身で蔦重を守ったその姿に、SNSでは衝撃の言葉が並んだ。
■ 浪人から脅される唐丸は…第5回あらすじ
重三郎が「明和の大火」のときに拾った、記憶喪失の少年・唐丸(渡邉斗翔)。向こう傷の入った浪人(高木勝也)がつきまとうようになり、唐丸の過去を明かさない代わりに、金の工面をするよう恐喝する。それによって自分だけでなく、重三郎をはじめとする蔦屋の人々が罰せられることを恐れた唐丸は、重三郎や次郎兵衛(中村蒼)の隙を見て売上金の一部を盗むが、彼の脅しが止むことはない。
唐丸は蔦屋の銭箱を持ち出して浪人の油断を誘い、体当りをして川に突き落とした。浪人の水死体は上がったものの、唐丸は行方知れずとなってしまう。嘆く重三郎に対して、幼馴染の女郎・花の井(小芝風花)は、真実がわからない場合、できるだけ楽しいことを考えるようにという、亡き女郎・朝顔(愛希れいか)の教えを思い出させる。重三郎はいつか唐丸が吉原に戻ってきたときは、自分が「謎の絵師」として売り出す夢を語るのだった・・・。
■ 予想外の理由で子役退場…「気づいて蔦重!」
横浜流星が出演した1月25日の『土スタ』(NHK)で、唐丸役の渡邉斗翔がVTR出演したとき「僕のことを忘れないでね」と横浜にコメントしていた。よく鍛えられた大河ドラマ視聴者は、どうやら近々渡邉が退場することを察したのだが、単に成長して役を交代するんだろうな・・・と思っていた。しかし『べらぼう』制作陣は、この第5回で私たちの予想をはるかに超えた退場シーンを、渡邉に用意していたのだった。
その導入は、あきらかに悪党としか思えない浪人の登場。唐丸の過去を知っている素振りをして、恐喝をするその姿には当然「こ、これは見るからにヤバいやつ」「唐丸に変なことしないで頂けます?」「変質者よ唐丸! 防犯ブザーを鳴らして!」などの焦りの声がSNSに並んだが、唐丸が本当にこの輩を知らなければ、なんとか振り切ったはず。彼に言われるがまま犯罪に手を染めていくということは、残念ながら確かに訳ありなのだろう。
これがいつもの蔦重なら、唐丸の様子がおかしいのを即座に察して問い詰めるのだろうが、本作りをめぐって気もそぞろになっていたのが、本当にバッドタイミング。SNSでも「アーッだめだ!! 蔦重がお仕事モードすぎて唐丸に気づく余裕がない・・・」「蔦重。顔見てやれよ、わかるからお前さんなら、何かがおかしいと」「こんなにそばにいてお互いのこと大事にしてるのに、今振り返らなきゃ後悔するんじゃない? 今言わなきゃ後悔するんじゃない?」と、このすれ違いぶりを嘆くコメントがあふれた。
■ 束の間の癒やし、ピュアキャラ・次郎兵衛兄さん
しかしこんな気の重い展開のなかでもなごませてくれたのが、我らが次郎兵衛お兄さんだ。蔦重と違ってなんだか要領が悪くて、この吉原で本当に忘八として生きていけるの? と心配になるぐらいフワフワとしたお人柄。今回も怪しい浪人が来てるにも関わらず銭箱の鍵を開けたまま外出しちゃったりだとか、お金が減っていても特に誰も問い詰めず「(使ったのは)俺なのかなあ・・・」と納得しちゃったり、お人好しにもほどがありすぎる。
SNSでも「ポンコツ故に悪事を働かれてるかもなんて思いもしないピュアキャラで最高にカワイイ。ポッピン鳴らして首を捻るとこなんてもはやヒロイン」「ボンクラのボンボンだけど時々真理を話すのね。そこが憎めないとこよ」「何の役にも立たなそうに見えて、実は一番人生達観してて、いつか賢者にクラスチェンジするやつ」「あまりにも人が良すぎて、最終回まで生き残れるのか心配になる」などの、一周回って声援に近い言葉が飛び交う。
そんな次郎兵衛と違って、唐丸の様子がおかしいことにさすがに気づいた重三郎だったけど、唐丸はすべてを打ち明ける代わりに、浪人もろとも身投げして姿を消すという、とんでもない解決方法を取ってしまった。このあまりにハードな展開にSNSは「かかか唐丸ーーー!!!」「店に手を出されるくらいなら、俺とともに殺す!! 覚悟がキマりすぎている」「これからあったかもしれない楽しい日々を捨ててでも、蔦重たちのこと守りたかったんだねぇ」という悲鳴があふれていた。
■ 朝顔姐さんイズム…唐丸の楽しい未来を空想
しかし幸いにして、クズ浪人が溺死体になったのに対して、唐丸の遺体は発見されなかった。これはきっと、彼が将来絵師となって蔦重にプロデュースされる、その伏線の1つのはず。というか、そうならないとおかしいぐらい。その思いを補完するように、蔦重は唐丸が絵師となって自分が世に売り出す未来予想図を、花の井に語っていた。それは同時に、幼い頃から吉原で辛い子ども時代を送ったもの同士の、共通の過去と固い絆を改めて示すシーンともなっていた。
SNSでも「分かんないことはなるべく良い解釈をする。朝顔姐さんイズム〜」「朝顔イズムは単なる逃避ではなく、これまでの人生で無残に奪われたものが無意味でも無価値でもないんだという現実への抵抗でもあるんだなあ」「花の井ちゃんと蔦重くん、紛うことなきソウルメイトだ」「『俺があいつを[謎の絵師]として売り出す』たぶんその通りになります」「後々成長著しい唐丸として再登場だろコレ」など、胸熱さを語る言葉が数多く見られた。
ショッキングな退場となった唐丸だが、SNSではすでに唐丸が東洲斎写楽で確定というような声があふれている。筆者もそれが有力と思いつつも、一方でこのドラマ最大のクライマックスとなる模様の写楽誕生が、そんなに簡単に予想がつくようなものになるだろうか? という疑問も打ち消せない。
どのみち唐丸が再登場するにしても、それはキーパーソンたちが数多くあふれて、この謎多き少年の存在を私たちが忘れかけた頃になりそうな気がする。そして蔦重にとっては、唐丸との再会までに立派な板元になるというのが、生涯のモチベーションになっていくのだろう。まずは蔦重に負けないほどの生命力と繊細さを、子役とは思えないほど巧みに表現した渡邉斗翔に、大きな拍手を送りたいと思う。
◇
大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』はNHK総合で毎週日曜・夜8時から、NHKBSは夕方6時から、BSP4Kでは昼12時15分からスタート。2月9日放送の第6回「鱗(うろこ)剥がれた『節用集』」では、鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助)の元で働き始めた重三郎が「青本」作りに乗り出すとともに、偽板(海賊版)騒動に巻き込まれるところが描かれる。
文/吉永美和子
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