お笑いコンビ・20世紀「真っ直ぐ『好き』という気持ちをネタに」
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お笑いコンビ・20世紀(左から木本悠斗、しげ)
M-1王者も輩出してきた、大阪の若手芸人たちが活動する「よしもと漫才劇場」(大阪市中央区)で今、着実に実力を付けているのが、お笑いコンビ・20世紀(木本悠斗、しげ)だ。1つの物語を見ているような、演技力光るネタを繰り出す────。2023年の『M-1』敗者復活戦で惜しくも敗退したものの、その存在が全国のお笑いファンに知れ渡った2人が、初の全国ツアーを実施中だ。
東京、名古屋での公演は大好評で、残すは2月15日の福岡公演、そして3月8日の大阪公演のみ(大阪公演はチケット完売、配信チケットは販売中)。そこで今回は、ツアーの意気込みはもちろんのこと、20世紀の「人となり」にも迫ってみた。(取材・文/田辺ユウキ)
■ 「『ダークピュア』がしげの良さ」(木本)
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──お2人は『キングオブコント2021』準決勝進出もですが、やはり『M-1グランプリ2023』敗者復活戦での漫才で、一気に認知度が広がったように思えます。
木本:確かにあのときの「バーストデビル」のネタに救われたところがありました。『キングオブコント』のときは芸人仲間からの「おめでとう」が多かったですけど、『M-1』は元クラスメイトからもたくさん連絡がきましたし。どちらもすごい大会なんですけど、改めて『M-1』の影響力の強さを知りました。
しげ:2023年は「準決まではいけるんちゃうかな」っていう手応えはありました。あのネタは「こういうことをやりたい」というものがはっきりあったので。
木本:あのときの敗者復活戦を経て、劇場でもネタがウケやすくなった印象はあります。特につかみの部分。僕が気持ち悪いことを言って、しげが「いやーん!」とリアクションするくだりは、お笑いが好きな方にはある程度、知ってもらえるようになったんじゃないかなって。
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──このつかみは「たまたま」誕生したそうですね。
木本:そうなんです。パッと見だと僕がツッコミに見えるじゃないですか。でも『ytv漫才新人賞』(2021年)に臨むときに、しげが「いやーん!」とリアクションすれば、役割がすぐに分かってお客さんも笑いやすくなるなって思ったんです。『M-1』の敗者復活戦でも僕らのことを知らない人が見て、あのつかみで役割を分かってもらえたから、劇場でもスッと笑えるようになったんじゃないかなと思います。
しげ:でも2024年は『キングオブコント』も『M-1』も準々決勝敗退ですから、本当に情けないっす。結局、ウケるネタとかって賞レース直前のギリギリにできたりするんで・・・。どうなるか分からないですよね、本当に・・・。
木本:いやいや、いきなりマジレス過ぎるだろ!(笑)そこは「2025年は早めにネタを作って仕上げていきたいです!」でいいよ。お前、嘘がつけなさ過ぎるって。ダークピュアか? でもまぁ、こういう真面目なところがしげのおもしろいところなんですけど、それがあまり伝わっていないんですよね。
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■ 「あの頃の感覚は忘れないように」(しげ)
──そういえば昨年末に、豪快キャプテンさんを取材したのですが、『M-1』3回戦で披露された「小さいカバン」のネタは、「森ノ宮漫才劇場」での公演時、しげさんが小さいカバンを持って楽屋入りしたのを見て、出番前の喫煙所でネタを考えてその日の舞台に下ろしたと話されていました。
しげ:ナメやがってあいつら!(笑)多分、僕が小さいカバンを持っているとちょうどいい感じで腹が立つんでしょうね。しかもあのネタ、3回戦で大ウケしていたでしょ。やっぱりそういうネタの作り方が良かったりするんですよね。実体験で嫌なことがあったりして、その勢いでネタを作るとおもしろくなるし。「なんやこいつ」と思ったこととか、「悲しいな」とか。最近あった嫌な話とか・・・。
木本:だからマジレス過ぎるんだって!「悲しいことが・・・」ってボソボソ喋って(笑)確かにしげって悲しい目によく遭うんです。知らない人に急に「デブ、どけ!」と言われたり。楽しいことが好きな人間で、それを見返してやろうというパワーはあるんですけど・・・そこがダークピュアに繋がるんですかね。
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しげ:自分みたいな、人間の性(さが)に支配されたような太り方の芸人は、めちゃくちゃ売れんとダメなんですよ! そうじゃないと誰も見返せない。だから目指すべきはバナナマンの日村さんなんです。『バナナマンのせっかくグルメ!!』(TBS系)を観ていたら、地方にグルメロケへ行って、地元の人づてにおいしいものを探して、みんなに温かく迎えられて。あそこまでいくには、相当長いですよ!
木本:しげって、日村さんを目指してたの。初めて知った(笑)
──全国ツアーで見返すきっかけを作りましょうよ! ちなみに20世紀のネタもそうですけど、単独公演のタイトルにはどこかモラトリアム感がありますよね。以前は『大人になれない僕らの』でしたし、今回は『少年へ』で。
木本:ずっとそういう感覚で生きているんですよね。中2くらいから周りに置いて行かれているというか、年齢の方が僕を待ってくれないというか。もっと中2を楽しみたいのに、なんかの決まりで大人をやることになって、でもそれが気持ち悪くて。そういう少年感というか・・・やってるネタも馬鹿馬鹿しいので、僕らみたいな人に刺さればいいなっていうのがありますね。
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しげ:単独のタイトルは大事にしています。「お笑いをやってみたい」と思っていたあの頃の自分が見たときに、おもしろいことやれてんのかな?って今も考えたりはしますね。中学校の同級生とかで色々やっていたんですよ。でも確かに、あの頃の感覚は忘れないようにしていますね。
──例えばかつての単独公演『ド深夜高速』で披露された「高橋さんの体操服」のネタとか、最高でした。あと木本さんは、実際には妹がいないゆえに、妹愛が爆発しているネタ「妹」とか。でも、どのネタもキモいけどなぜか引かない。「引かせ笑い」に持って行かないところがすごいです。
しげ:いや、高橋さんの体操服のネタ「はつこい」はマジで引かれましたよ!(笑)でも、自分らのネタって「キモいかもしれないけどその感情自体は正解だから」というのはあるんです。それが結果的に変に映ることもあるんでしょうけど、「変な人ですよ」という打ち出し方ではないんですよね。なんならどのネタも木本自身の感情だし。
木本:好きなものを真っ直ぐ「好き」と言える気持ちをネタにしています。それが行動としてキモく見えるかもしれないけど。でも、子どものときのピュアさってそういうものだったりしますよね。あと僕は、自分じゃないボケができないんです。だから、しげがネタのストーリーラインを持ってきても、自分にないものばかりだから理解できないときは結構あります。
しげ:話の入り口は僕のアイデアが多いですけど、そこから足していくのが木本って感じですね。で、いろいろ組み替えていって。漫才は特にそういう作り方をやっていて、「こんな感じでやれば笑ってもらえるんだ」というのもなんとなく理解できるようになってきました。
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──そんな20世紀のネタを堪能できるのが、今回の全国ツアーですね。この全国ツアーを終えてよりパワーアップされるでしょうし、20世紀の未来が楽しみです。
木本:今回のツアーが今後、いろんな仕事にも繋がっていくんじゃないかなって思っています。ステップアップできる良いチャンスをもらえている気がしていて。ツアーが終わったらその成果もはっきり見えてくるはず。
しげ:うーん・・・このツアーのあと・・・未来っていうのがちょっと分からんっすね・・・。先々のことが浮かばんすぎて・・・。
木本:もうええわ、このマジレス過ぎる感じ!(笑)なんかあるじゃん、ニュアンスで答えていいんだから!こいつは真面目すぎて、ちゃんと質問に答えたいんですよ。何度も言いますけど、こういうド真面目なところをみなさんにおもしろがってもらいたいんです。
しげ:今回のツアーは良いものができたと思っていますし、もちろん楽しんでもらいたいです。でも僕はツアーが始まるまで、いろんなところに泊まれると思って、それを楽しみにしていたんです。でも日帰りで!(笑)来年は、もうちょっと箇所を増やせたらなと。僕たちの地元の山口とか、仙台とか・・・仙台は日帰り、無理ですもんね!
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◇
20世紀初の全国ツアー『少年へ』は、2月15日に「よしもと福岡大和証券劇場」(夜8時30分開演、チケット前売り2500円ほか)にて、3月8日に「よしもと漫才劇場」(夜7時半開演、劇場チケット完売 ※配信1800円)にて。
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