大阪・アメ村に新たなミニシアター、仕掛け人の思い「繋がる場に」

2025.3.20 19:00

仕掛け人の栗原ゆうさん

(写真6枚)

大阪・心斎橋のアメリカ村(以下:アメ村)に今夏、ミニシアター「Theater Aimyou(シアターエミュ)」が誕生する。全国のミニシアター閉館が相次ぐなか、なぜアメ村のど真ん中に? 映画ファンにとっての朗報、仕掛け人である栗原ゆうさんに話しを聞いた。

■ 観るだけでなく…作品と「繋がる場」に

「Theater Aimyou」のメインビジュアル
「Theater Aimyou」のメインビジュアル

今回開業するミニシアターは「毎日小さな映画祭が開催される映画館」をコンセプトに、大阪未上映をはじめ、短編作品、再上映作品、映画監督や映画好きがセレクトするインディーズ作品などが上映される予定だ。

また同シアターでは「映画の世界を再現」をテーマに掲げ、上映後に監督や出演者のトークイベント、作中の料理の提供や実際に着用していた服などの展示など、さまざまな試みを実施。映画の世界にそのままいるかのような、余韻に浸れる感覚も同じ空間で味わえるのだ。

「作品を『観た』だけで終わらない、映画制作のクリエイターと観客が繋がる場所にしていきたい」と語る栗原さんは、普段は「A NEWYOU」代表取締役社長で、アイドルなどのプロデュースをおこなっている。実はこれまで「映画界」には携わっていなかったという。

「Theater Aimyou」の内観イメージ
「Theater Aimyou」の内観イメージ

■ 「プラスで利益が生まれる映画館のシステムを」

そんな栗原さんがミニシアターを作ろうと思ったきっかけは、「今まで主催してきたイベントって1日で終わるな…さみしいなと思っていて。1日で終わらないストーリーがある場所を作りたいと思って」との思いから、アイドルカフェを経営していたという。

「アイドル・クリエイターを目指す子達は、生活の為にアルバイトをしたりするんですけどその同じ時間、働きながら、パフォーマンスを磨く場所があればいいのではと思いアイドルカフェをつくりました。ウェイターをしながらステージでパフォーマンスをする場所。完成されたものだけでなくプロセスにも価値がある、成長過程もみられる。お客さん、ファンと一緒につくる応援というカタチが収益に繋がることってとても良いことだと思うんです」と栗原さん。

栗原さんはアイドルカフェを経営しながら、周りにいる制作陣から「映画を作り続ける大変さ」について何十年も耳にしていたという。「アイドルや声優さんは様々な応援するカタチやシステムがあるのに、映画界の監督やクリエイターに対しては意外とそのようなシステムがないなあって」と栗原さん。

アメ村の三角公園に立つ栗原ゆうさん
アメ村の三角公園に立つ栗原ゆうさん

映画制作には莫大なお金がかかっているのに、そのほとんどがチケット代でまかなえるほどの利益が出ていないのが昨今の映画界の現状だ。「映画の興行収入だけでなく、プラスで利益が生まれてほしい。そして才能あるクリエイターがこれからも映画に携わっていけるように」と、新システムを導入したシアターを開業しようとしているのだ。

開業に向け、映画をつくっている学生がチケット代を取って映画を流せる場、子どもが来れるようなキッズデーも併せてつくる予定だという。そのほか、クリエイターを応援すべく投げ銭システムも実施。映画界に新しい風が吹く予感がする。

「Theater Aimyou」は2025年の夏に、大阪心斎橋のアメリカ村で開業。続報は公式サイトにて。

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