京都「よーじや」が新キャラ発表、SNSでさまざまな意見「なんで?」

2025.3.27 07:30

新たな「よじこ」は、これまでの手鏡から飛び出した全身デザイン

(写真8枚)

あぶらとり紙でおなじみの肌ケアブランド「よーじや」(本社:京都市下京区)が60年ぶりにロゴマークを刷新。3月26日のお披露目会では、2つのロゴと、企業キャラクター「よじこ」の新ビジュアルが発表され、SNSではさまざまな声が寄せられている。

■ 新キャラ発表も…おなじみ「手鏡の女性」も継続

お披露目会で新ロゴやキャラクターを紹介した「よーじやグループ」代表取締役・國枝昂氏(3月26日・京都市内)

ブランドのまさに「顔」として、手鏡に京女性が映り込んだロゴは1965年に誕生。あぶらとり紙の表紙や系列カフェの「顔パフェ」としてもおなじみで、創業120周年を迎えた2024年には、長年社内で親しまれてきた愛称「よじこ」が正式に名付けられた。

新たな「よじこ」の雑貨や文具などのグッズも販売される

お披露目会では、さらに親しみやすく身近な存在になれるようとの思いが込められた、新たな「よじこ」が紹介され、これまでの手鏡から飛び出した全身スタイルで、現代風なワンピース姿に。JR東日本「Suicaのペンギン」などを手がけたイラストレーターの坂崎千春がデザインし、特徴的な切長の目と横分けの前髪は残しつつ、「古風なおすまし京美人」から「現代の京都に暮らす元気な女の子」を表現したそう。

SNSでは新キャラに早くも注目が集まり、「とても可愛くて癒やされました」「リボーン!60年ぶりの大変身!おめでとうございます」「顔がちょっと今風になられてらっしゃる笑」など、新キャラを歓迎するコメントの一方、「なんで変更するの?」「戸惑ってます」「自由に動けるようになったんだ」と驚く人や、「以前の方が京都発って感じ」「前のが好きすぎたので寂しい」といった嘆きの声も見られた。

新旧のよじこ

これまでの「よじこ」の今後が気になるところだが、長年愛されてきた存在だけに、あぶらとり紙などのコスメ類やカフェでの顔メニュー、店頭では今後も変わらずに使用されるという。一方、新たな「よじこ」は同社の企業キャラとして、公式SNSや雑貨・文具などのグッズで使用され、どちらの良さもいかした併用での展開となる。

■ ロゴ刷新の背景は「脱・あぶらとり紙」!?

新旧のブランドロゴ。右の新ロゴは手鏡をシルエット化

さらに、お披露目式では、「みんなが喜ぶ京都にする」とのスローガンが添えられた丸みを帯びた文字「よーじやグループ」のコーポレートロゴと、手鏡のシルエットや「KYOTO」がデザインされたブランドロゴ「よーじや」も披露。これまでの同社のロゴは手鏡のよじこデザインのみだったが、新たな「よーじや」の象徴として用途に応じて明確化させ、ショッパーの表裏には新旧のブランドロゴが採用される。

リブランディングについて、同社代表取締役・國枝昂氏は「これまでのロゴは多くの方に認識していただけている強みがあるが、その一方で常に『あぶらとり紙』を想起させる存在。土産や観光の印象が強く、地元に寄り添えていないという危機感があった」と明かした。

今後のショッパーは裏表で、新旧のブランドロゴが併用される

京みやげとしてあぶらとり紙がブームとなった1990年代後半は、売上の8割を占めていたというが、時代の変化とともに減少。特にコロナ禍での苦境を機に「脱観光依存」を掲げ、コスメ系販売やカフェだけでなく、新たな十割蕎麦専門店の飲食事業も進めてきた。

また、近年はオーバーツーリズムの影響で、京都の観光地近くの店舗では日本人購入者が減少という傾向も。今後について、國枝氏は「創業当初は屋号の由来になった楊枝(現在の歯ブラシ)で地元の方に親しまれていた。ロゴの刷新は不安もあるが、原点に返り、もっと日常づかいできる京都発のライフスタイルブランドとして知ってもらえるきっかけになれば」と呼びかけた。

「よーじや 四条河原町店」入口には新たな「よじこ」の全身パネルが登場(3月26日・京都市内)
今年2月に開業した「よーじや 四条河原町店」の看板が変更され、横看板には新ロゴの手鏡のシルエットと「KYOTO」が追加された(3月26日・京都市内)

お披露目会後には、今年2月にオープンした「よーじや 四条河原町店」に新「よじこ」のパネルが登場し、横看板は新ロゴに変更された。3月27日からは直営店とオンラインショップで新「よじこ」グッズが販売される。

取材・文・写真/塩屋薫

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