神戸のパンダ・タンタン偲び3百人が列「桜見ると…」あれから1年

2025.3.31 17:15

「パンダ館」前にファンの長い列(撮影:2025年3月31日 神戸市立王子動物園)

(写真16枚)

「神戸のお嬢様」の愛称で多くのファンに愛された、「神戸市立王子動物園」(神戸市灘区)のジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」。2024年3月31日に28歳でこの世を去ってから、丸1年が経った。1周忌となる2025年3月31日朝には、開園前から平日としては異例の約300人が同園の入園ゲートに駆けつけ、タンタンが暮らしたパンダ館にも長い列ができた。

パンダ館でぐっすり眠っているタンタン(2021年9月16日撮影 神戸市立王子動物園)

1995年に中国・四川省で生まれたタンタンは、2000年7月、阪神・淡路大震災の被災地で傷ついた子どもたちや、復興に取り組む人々を励ますため、同動物園に来園。以来24年間、神戸市民から「震災復興のシンボル」としても親しまれた。2021年からは心臓疾患の治療に取り組み、一般観覧が中止になってからも、多くのファンが同園のSNS発信などを通じ、タンタンの様子を見守ってきた。

パンダ館で開催「お花 de タンタン」
パンダ館で開催「お花 de タンタン」(撮影:2025年3月31日 神戸市立王子動物園)

追悼行事として、同館パンダ館でこの日のために特別に制作された「ありがとうタンタン記念誌」を配布。また来場者が特製ボードに、白と黒の花の形のシールを貼って、巨大なタンタンを作成する企画などを実施している(いずれもなくなり次第配布は終了。パンダ館の展示は当面の間継続予定)。

「ありがとうタンタン記念誌」を配布
「ありがとうタンタン記念誌」を配布。タンタンのいろいろな姿、スタッフからのコメントなど盛りだくさんの内容(撮影:2025年3月31日 神戸市立王子動物園)
タンタンが過ごした場所にはまるでタンタンがいるようなパネルが展示されている
タンタンが過ごした場所にはまるでタンタンがいるようなパネルが何点か展示されている(撮影:2025年3月31日 神戸市立王子動物園)

また、「動物感謝碑」に特設された献花台には、たくさんの花が手向けられた。パンダ館屋上にタンタンの飼育員の吉田さんの発案でタンタンを見守るように植えられたヒマワリにちなみ、ヒマワリの花束を持参する人たちの姿が目立った。

多くの人が花束をもって来園。献花台は黄色いヒマワリなどカラフルな花が手向けられた
多くの人が花束をもって来園。献花台は黄色いヒマワリなどカラフルな花が手向けられた(撮影:2025年3月31日 神戸市立王子動物園)
タンタンへの想いのこもった花束の数々
タンタンへの想いのこもった花束の数々(撮影:2025年3月31日 神戸市立王子動物園)

◆ 地元からだけでなく、この日のために全国からタンタンファンがパンダ館に

今日のために神奈川から来園した女性は、「2013年から、月2回くらいのペースでタンタンに会いに来ていました。タンタンが病気で観覧中止になってからも、一番近くでタンタンを感じられるこのパンダ館に、月1度は来ていましたね。亡くなってからも、それぞれが撮ったタンタンの写真をファン同士で見せあったり、タンタンのことを想い続けてきた」と話す。パンダ館の前には、地元はもちろん、関東や全国からいつもファンが集っていて、この日もタンタンをきっかけに仲良くなった友人と一緒だった。

1年前と同じく、桜が咲き誇る園内
1年前と同じく、桜が咲き誇る園内。タンタンはみんなの心の中に今も生き続けている(撮影:2025年3月31日 神戸市立王子動物園)

2018年から月1~2回でパンダ館に通い続けたという女性は、以前に「パンダプラザ」(4月8日に閉店予定)で購入したぬいぐるみを持参。「タンタンが亡くなったこと知ったのは、去年4月1日にちょうどここから関東に帰る途中で・・・。本当に悲しくて悲しくて。でも、桜の時期までは、と頑張って病気と闘ってくれてたんじゃないかな。今日もきれいに咲いた桜を観て、タンタンに思いを馳せます。きっとこれからも、毎年ここに来るし、桜を見るとタンタンのことを思わずにいられないですね・・・」と涙をにじませた。

関東から訪れたタンタンファンの女性が持参したタンタンぬいぐるみ。同園お土産売り場「パンダプラザ」で購入したぬいぐるみに自作のチェリーのお衣装、お友達手作りのひまわりのブローチをコーディネート(撮影:2025年3月31日 神戸市立王子動物園)
同園内でおみやげなどを販売する「パンダプラザ」は4月8日に閉店が決まっている。店内には寄せ書きコーナーも
同園内でおみやげなどを販売する「パンダプラザ」は4月8日に閉店が決まっている。店内には寄せ書きコーナーも(撮影:2025年3月31日 神戸市立王子動物園)

◆ 飼育員発信の『#たんたんさんとの思い出』終了にも大きな反響が…

広報担当・尾上さんは「今日は平日にもかかわらず、こんなにたくさんの方が集まってくださって、1年経つ今も、多くの方からタンタンが愛されているのがよくわかりました。担当飼育員もこの1年は『#たんたんさんとの思い出』をSNSで発信し続けていましたが、先日その終了を発表しました。そちらにも惜しむ声を本当にたくさんいただいて。タンタンだけでなくスタッフも応援いただき、ありがたいです」と、タンタン愛にあふれたファンたちに感謝の気持ちを語ってくれた。

今後の展開については、「パンダ館は当面今の形で残していく予定。毎年開催してきた誕生日のイベントや、来年のこの時期の追悼イベントなどは現在未定ですが、今後も何かあれば、ホームページなどで発表していきます」ということだった。

タンタンが過ごした場所を前に天国のタンタンに思いを馳せる
タンタンが過ごした場所を前に天国のタンタンに思いを馳せる(撮影:2025年3月31日 神戸市立王子動物園)

またこの追悼の企画は、動物園以外の神戸市内各所で実施される予定。同園への訪問とともに、神戸の各所でタンタンへの思いを馳せてみては。

■モザイク大観覧車(ハーバーランド)でのメッセージ表示
内容:モザイク大観覧車に「ありがとうタンタン 1995.9.16-2024.3.31 神戸市立王子動物園」のメッセージを表示
期間:3月31日夕方17時30分~夜11時30分の毎時15分と45分から3分間

■メモリアルムービーの放映
内容:市役所内でデジタルサイネージを利用し、映像を放映
放映内容:15秒のメモリアルムービー
放映日時:3月31日朝9時~夕方17時
放映場所:神戸市役所1号館1階正面、1号館1階カフェ側、1号館24階

■灘駅前商店会界隈にポスターを掲出
内容:灘駅前商店会の店前等にポスターを掲出
掲出期間:3月31日から当面の間

■水道筋商店街界隈にバナー、のぼり旗、ポスターを掲出
内容:水道筋商店街界隈にバナー(3種類・各1枚)・のぼり旗(1種類・60本)・ポスターを掲出
※バナー・のぼり旗はエルナード水道筋のみの掲出
掲出期間:3月31日~4月30日

■水道筋商店街空き店舗にタンタン美術作品の展示
内容:水道筋商店街の空き店舗を活用し、神戸市立科学技術高等学校美術部が制作したパネルなどを展示
期間:3月31日~4月30日朝11時から夕方5時(予定)

水道筋商店街商店街にも「ありがとうタンタン」の大きなバナーとのぼりが掲出された(撮影:2025年3月31日 水道筋商店街)

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