大阪の「博物館グッズ」が異例のヒット、6000円超えも…なぜ?

18時間前

「大阪市立自然史博物館」のオリジナルグッズ「『貝千種』 風呂敷」(6270円)

(写真8枚)

現在「大阪市立自然史博物館」(大阪市東住吉区)で開催中の展示『貝に沼る』。その関連グッズで、貝の絵柄がぎっしりとプリントされた大判の風呂敷が、あまりの売れ行きにオンラインショップでの販売を一時停止するほど、同館で異例のヒットとなっている。

■ かわいいだけじゃない…「学び」のあるグッズ

4月は約500本の桜が咲き、たくさんの人で賑わう「長居公園」内にある同館。2月末からスタートした『貝に沼る』は、日本の「貝類学研究史」を紐解くという、珍しい内容となっている。

そんななか、今回注目されたグッズが「『貝千種』 風呂敷」。近代貝類学を日本に根付かせた人物・平瀬與一郎(ひらせ・よいちろう、1859〜1925)が、当時木版画で作った貝類図鑑「貝千種」に掲載された400種類の貝を一面にプリントしたものになる。これまでにハンカチや手ぬぐいなどのグッズはあったが、この大きさは1m×1m、実物はなかなかのインパクトだ。

「色遣いが美しいですが、なかには小さい貝もあり、ゆっくり見るにはと考えて…」と、今回1m×1mの大きさに!

驚くべきは、貝それぞれの色遣い。当時は錦絵の技法(多色木版画)で、グラデーションのような色味の変化を付けていたという。プリントされているそれぞれの貝は、学芸員監修のもと、400種ある貝の大きさ比率にもこだわっている。

店頭には展示「貝に沼る」のグッズコーナーが
数あるグッズのなかでも、やはり目立ちます!

同館のオリジナルグッズは、「かわいい」だけではなく「情報として正しい」という点も重視しており、解説書が同封され、そこには監修者の名前も明記。このグッズに関しては、風呂敷の貝にはそれぞれ番号がふってあり、和名・学名・産地が明記された解説書が付いている。

「『貝千種』 風呂敷」より。色遣いに目を奪われる一方で、なかには「これって一緒じゃ…?」と思う貝も

SNSでは、カーテンのよう使用したり、ソファーにかけたり、スカーフのように巻いたり…と、さまざまな使い方が散見。店頭では「自分が子どものころ、海岸であの貝を拾った」「この風呂敷の絵の上に、持っている貝を並べたい」「これを見て貝を拾いに行きたい」との声もあり、なかには、この風呂敷を求めて東京から訪れ、オープン前に並ぶという猛者も。

同館のオリジナル商品では前代未聞の6000円超えという高額品ながらも、店頭やオンラインショップで反響が相次いだ。

「これまでを振りかえっても、ここまで反響があるのは初めてです」と、今回のグッズ開発を担当した坂田さん。「制作途中の様子をSNSに投稿したときから、すごいもの作ってるぞとみなさんが想像してくださって。実際に出来て意外だったのは、風呂敷として使います、という声をあまり聞かないことですね(笑)」と明かす。

京都が平瀬の拠点であったことから和風のグッズを検討し、風呂敷を採用

デザインされている貝が載る図鑑「貝千種」は、平瀬が貝類学の普及を目指し作られたもの。図鑑の名前から、元は1000種の掲載を目指していたと考えられているが、平瀬の健康状態の悪化などから、志半ばで終わってしまった。それが今、令和の時代に、思わぬ注目を集めている。

坂田さんは、「これを見た方がよろこんでくれる方がいらしたら、平瀬の思いも現代で後押しできたのかなと。これを手に取って、学ぶだけでなく、実際に拾いに行ったりフィールドに出て、そこに新たな発見があって…と、その一連の流れにグッズが寄与できたら、最高ですね」と笑顔を見せる。

「貝に沼る」内で公開されている『貝千種』
『貝千種』の版木も、展示内で公開中

「『貝千種』 風呂敷」は「大阪市立自然史博物館」併設のミュージアムショップにて。オンライン販売は4月1日より再販をスタート、数量限定で販売中。展示『貝に沼る』の会期は5月6日まで、観覧料は大人500円、高大生300円。

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