「猫が突き刺さってる」!? 瀕死状態で保護した子猫の2年後のわんぱくぶりに「ダイナミックな退室」「向こう側の顔が見たい」
カテゴリ:動物
「俺の猫も見てくれ!」と、1枚の写真をツイッターに投稿した黒いツさん(@Kreuz_FF14)。そこに写っていたのは、障子を突破して部屋から出ることに失敗し、見事なまでに”突き刺さった”みたいになっている猫の姿。
「漫画にありそうな展開」「見事なささりっぷりですね」と、エクストリームな猫ちゃんの姿に爆笑のリプライが殺到しました。
「猫が突き刺さってる」
「なぜそうなる……」
「何たるダイナミックな退室」
「心配だけど笑っちゃう」
「後ろ足ふんばってる姿めちゃ可愛いにゃ」
「格闘マンガで飛ばされた人(猫)かな?」
寄せられたリプライの中には、「障子の向こうでダラーンとなってるのが可愛すぎます」と、障子の向こう側で、脱出をあきらめたかのような猫ちゃんのシルエットに気づいた人も。また、「(障子に補修用の)テープが貼ってある事から、前科持ちだと見た!」と、猫ちゃんが障子突破の常習犯であることを推測した人も登場。リプ欄は大いに盛り上がりました。
飼い主さんによると、障子に突き刺さったみたいになっていた猫ちゃんは、シンくん。生後間もない頃、低体温で瀕死の状態だったところを飼い主さんに救われた、2歳になる保護猫の男の子です。
この時、なぜシンくんは障子に突き刺さっていたのか? そして、シンくんは障子突破の常習犯なのか? 「ハララカ」の名義でイラストレーターとして活動中の飼い主、黒いツさんにお話を伺いました。
ーー見事な突き刺さりっぷりですね。どんなタイミングでこの姿を発見されたのですか?
「この写真はちょうど1年前の夏に撮影したものなんです。私が帰宅してしばらくしたタイミングで、すごい音が鳴ったのを覚えています。見に行くとこのように、芸術的な状態でした」
ーーそもそもシンくんはなぜこんなことに?
「シンは子猫の頃から障子を破るクセがありました…。向こう側が縁側で、外が見えますので、この時もきっと、外が気になって仕方がなかったのだと思います。それと、この時はおよそ1歳で、単純にわんぱくざかりでしたので、好奇心もあったのかなと」
ーーシンくんのこの姿を発見された時のお気持ちは…?
「障子を貼り替えることになってうんざりしましたが、私も幼い頃に好奇心から、部屋の障子や生け花の吸水スポンジに指を突っ込んで散々叱られたなぁ…と、こんなタイミングでそんなことを思い出しました」
ーー障子の向こう側のシルエットから、突き刺さったままあきらめている様子がわかりますね。「向こう側の顔が見たい」というリプライもありましたが、黒いツさんはご覧に?
「完全に脱力していますね。急いでお尻の方から救助したので、残念ながら顔は確認できなかったのですが、きっと本人は通れなくて、”なんでだ!?”と思っていたと思います。実はこれ、破れにくい障子に張り替えてから初のダイヴでした。今までは勢いをつけて、ここからズボッと通り抜けられるのが当たり前だったので、急に障子が硬くなっていて驚いたと思います」
ーーそうでしたか!なんとシンくんは欄間を突き破った前科もあるとか。
「はい。超が付くわんぱくでいたずらっ子です。障子や欄間を突き抜けて壊すパワフルさはどこから湧いてくるのか謎です。よく猫飼い同士で猫の話をしますが、”そんな猫初めて聞いた!”と驚かれるようなこともしばしば。ペットボトルのフタをあっという間になくす、棚やテーブルなど高台の上に乗ってるものは下に落とす、絶対に”ニャー” とは聞こえない鳴き声を出す…シンが家に来てからは驚きの連続です。
保護する前のシンがどのくらいの期間を母猫と過ごせたのかわかりませんが、うちに来てからはずっと、5歳になる先住犬のトイプードル、さくらを見て育ったので、活発なところは、もしかしたらその子に影響されたのかなぁと思ったりもします」
ーーシンくんとさくらちゃんは仲良し?
「さくらもすごくおてんばな犬で、シンが高台からペンや消しゴムを落とすと、サッと咥えてどこかに持って行き、ボロボロにしてしまうので、人間はモノをすぐ片付けるクセが付きました。シンとはそういうイタズラの協力関係を築いてると見せかけて、実は嫉妬からシンのものを横取りしてるだけなんです。さくらは”可愛い”という言葉が分かるので、うかつにシンのことを”可愛い”と言えません。シンの方は”可愛い”と言ってもちっとも喜びませんが」
ーーさくらちゃんも面白い子なんですね(笑)。シンくんは保護された時、瀕死の状態だったとか。
「シンを保護したのは6月の、雨がシトシト降る肌寒い日でした。やけに猫の鳴き声が近くに聞こえ、ただごとじゃないなと傘をささないで探し回ると、我が家のガーデニング用倉庫の裏に入り込んでしまった子猫が…。やっと手が入るくらいの隙間で、ミィミィ鳴くだけでぐったりしてました。
どうしたら良いかわからないまま、ブランケットに包んで小動物用に使っていたヒーターを敷き、すぐに動物病院へ連れて行きました。写真の点滴は、その時病院でもらった<湯たんぽ>です。先生が、”低体温症の状態で、生きられるか死んでしまうかわからない”とおっしゃった時に、すごく不安だったのを覚えています。家に帰ってもしばらく動けなかったシンですが、湯たんぽをあててしばらくすると、よちよちと家の中を見物し始めたのでホッとしました」
ーーそんな瀕死の子猫がこんなにもわんぱくに!ちなみに、障子から抜けなくなった後のシンくんはどうなったのですか?
「何しろ抱っこが苦手なので、救助の時は暴れて大変でした。あの時は障子に突き刺さったことより、私に抱っこされた方が猫にとっては重大事故だったのかなと思います…。おかげさまで、今は昔より抱っこができるようになりました」
ーーそれは良かった…(笑)。気になる障子の修繕は?
「現在も、突き刺さった箇所に養生テープを貼っただけの状態です。他は突破されていないので、そこだけのためにすべて張り替える気持ちにはなれず…。寝室で、お客さんを入れないのでいいかなと。とりあえず寒さも気になりません」
2年の歳月を経て、瀕死の子猫から、愉快なわんぱくニャンコへと成長したシンくん。ダイナミックなイタズラは困りものですが、すべてはシンくんが健康で、元気いっぱいに伸び伸び暮らしているという幸せの証。これからも愉快な姿をたくさん見せてくださいね。
■シンくんの飼い主、黒いツさんによる「ハララカ」名義のイラスト作品が掲載されているインスタグラム
取材・文/はやかわ かな
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