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「明日も必ず来てね。待ってるね」野良猫との2年の純愛物語 「お約束守ってよかったね」感動の声が殺到

2022年2月3日 10:00 AM

カテゴリ:動物

「昨日、約2年間公園にごはんを届けていたくーちゃんを保護しました。毎日くーちゃんに伝えていたことは、帰り際事故とかケガとかしないで、明日またベンチで待ち合わせね。必ず来てね。待ってるからね。って言って別れていたくーちゃんが、うちに来ました。保護した帰り道、嬉し涙が出ました」というつぶやきと共に、1枚の写真をツイッターに投稿した、雨と雪さん(@63NiY6yY7YDHiYk)。

もと野良猫の男の子「くーちゃん」が住む公園に毎日通い、コツコツと信頼関係を築き、ついに保護が出来るまでの約2年の日々について、雨と雪さんに聞きました。

「毎日お約束守ってよかったね」
リプ欄には、「ツイートを読んでこちらも嬉し泣きです!よかった!よかった!」「もう離れ離れにならなくて良いんですね」「くーちゃん、毎日お約束守ってよかったね」と、雨と雪さんと「くーちゃん」の約2年目の幸せを喜ぶ声が殺到。また、「うちの猫も5年前に保護しました」といった、自らも保護猫と暮らす飼い主さんたちからの体験談や励ましの声など、450以上ものリプライが寄せられました。

「病院でワクチン接種、血液検査などチェックしてもらいました。白血病もエイズも陰性。体重は5.8キロ。年齢は5歳ぐらいとのことでした。健康状態は良好」「病院の後とてもくつろいでいました。愛おしい」と、保護した後の「くーちゃん」の様子もツイートしていた雨と雪さんに、「くーちゃん」との出会いから保護までの約2年について、お話を伺いました。

約2年かけて保護されたもと野良猫「くーちゃん」(提供:雨と雪さん)

ーー「保護した帰り道、嬉し涙が出ました」という言葉に約2年の思いを感じました…。

「実際は嬉し涙というよりも、嬉し号泣という感じでした。くーちゃんに初めて会ってから、また明日も会えるかなぁ?という不安がいつもありました。ごはんボランティアをしていた子が突然、姿を見せなくなったこともありましたから…。また来てくれた、今日も来てくれた…という日々の積み重ねでした。公園のベンチでよくひざの上に乗せて、寒いときはコートの中に入ってきたくーちゃんを暖めていたことが懐かしく想い出されます。今思えばあっという間の2年だった気もします…」

約2年前、初めて会った日のくーちゃん。その後、このベンチが毎日の待ち合わせ場所になりました(提供:雨と雪さん)

ーーもと野良猫のくーちゃんは去勢手術済みの印のある「サクラ猫」なのですね。

「昨年、地域のボランティア団体『猫にゃんネットワーク府中』に相談した後、団体のご協力でくーちゃんをTNR(※繁殖防止のため野良猫を避妊去勢手術後もとの場所に戻すこと)したんです。どの子もリリースせず保護してあげたいと思いますが、すべての子を保護してあげることはできません。あるとき、6日間くーちゃんが公園に来ないことがありました。あの6日間の不安とリリースしたことへの後悔は今でも忘れられません…。そこからくーちゃんを保護することを考え始めました」

去年、TNRをしたときのくーちゃん。「このとき保護していれば…」と悔やんだそうです(提供:雨と雪さん)
「活動に協力したい、力を借りたいときは、地域の猫ボランティア団体さんに連絡してみては?ネコの手も借りたいと思っている団体さんはたくさんあると思いますよ」と雨と雪さん(提供:雨と雪さん)

「初めて会った頃は警戒心が強く、触ることはもちろん、半径2メートル以内に近づいてはくれず、ごはんも私が離れた後にしか食べませんでした。無理に近づかない、あまり見ない、そんな状況を数か月続け、この人は怖いことをする人ではないんだとわかってくれるようになり、少しずつ近くまで来てくれるようになりました。そこからはやっぱり『ちゅーる』ですね(笑)。『ちゅーる』は仲良くなるには最強です」

野良猫時代のくーちゃん。「こんな姿を見て、くーちゃんを暖かい部屋でフカフカのベッドで眠らせてあげたいと思いました」と雨と雪さん(提供:雨と雪さん)

ついに「くーちゃん」を保護!そして…
ーー最後の日、どんな風にくーちゃんを保護されたのですか?

「昨年のTNRの後、2週間ぐらい捕獲器での保護を試みましたが、入ってくれませんでした。とにかく怖がらせたり痛い思いはさせたくなかったので、私自身の手で保護できるようにするため、抱っこの練習を始めました。最初は嫌がりましたが、抱っこができるようになった後は、ひざの上に乗ってくれるようになりました。ここまでくればもう大丈夫と確信したので、ベンチに座ってひざの上に乗せ、ナデナデしているところをゆっくり洗濯ネットをかけ、ケージに入れて保護しました。暴れることもなく、じーとしていてくれました。僕をおうちに連れて行って…と思ってくれたのかもしれません」

お外暮らし最後のお昼ごはんを食べるくーちゃん(提供:雨と雪さん)

ーー種族を超えた「純愛」物語のようなエピソードですね…。

「私は今、『猫にゃんネットワーク府中』の譲渡会のお手伝いや、預かりボランティア、地域猫のごはんボランティアをしています。くーちゃんが終わりではありません。この先もたくさんの子たちをくーちゃんのように保護してあげたいです。他のボランティアの方も私と同じ気持ちだと思います。

保護の数日前。ブランケットと使い捨てカイロをもらったくーちゃん(提供:雨と雪さん)

地域猫活動には必ず、苦情やトラブルが発生します。難しい問題ですが、もしごはんボランティア中に様子を見にきた方がいたら、しっかり説明をします。積極的にコミュニケーションを取り始めたことで、協力してくださる地域の方も増えました。今回のくーちゃんのことを通じて、地域猫活動について少しでも理解してくださる方が増えることを願っております」

雨の日は傘に入れてごはんを食べさせてあげたそうです(提供:雨と雪さん)


◇ ◇

「くーちゃんが終わりではありません」と、地域猫活動に対する真摯な思いを語ってくださった雨と雪さん。雨と雪さんのおうちには、くーちゃんの他にも3匹の保護猫がいます。実はそのうちの「ミミくん」という白黒のオス猫は、もしかしたらくーちゃんの兄弟猫かもしれないそうです。

雨と雪さんちの保護猫ちゃんたち。左から時計回りに、くーちゃんの兄弟猫と思われるミミくん、空知くん、奥にいるのがまりちゃん(提供:雨と雪さん)

「くーちゃんの隔離期間が終わり、ミミくんと対面させる日が今からとても楽しみです」とワクワクする一方、「やっと保護ができたくーちゃんとはずっと一緒に過ごしたいのですが、もしケガをしたり、緊急で保護しないといけない子がいた場合を考えると、くーちゃんには私よりも大切にしてくれる、ずっとのお家を探してあげないと…と思っています」と、雨と雪さん。

食いしん坊だったことから「くーちゃん」という名前になったそうです(提供:雨と雪さん)

いつになるかは決まっていないそうですが、くーちゃんは近い将来、ずっと一緒に暮らせる家族との出会いを求めて、『猫にゃんネットワーク府中』さん主催の譲渡会に参加する予定だそうです。

※『猫にゃんネットワーク府中』さん主催の譲渡会は、毎月第1土曜日に開催されているそうです。詳しくは『猫にゃんネットワーク府中』の公式サイトまで。

■『猫にゃんネットワーク府中』

『猫にゃんネットワーク府中』さん主催の譲渡会は毎月第1土曜日に開催されているそうです(提供:雨と雪さん)
すっかり家猫みたいにくつろぐくーちゃん。よかったね!(提供:雨と雪さん)


取材・文/はやかわかな

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