
海や山や島、そして美しい高原が広がる兵庫には、まだまだ知らなかったすばらしい大自然や、古からさまざまな時代を紡いできた建築物が点在しています。
見たことのない風景や知らなかった文化・歴史、地域のおいしい逸品など、ローカルの楽しさと出合う旅へ。
『Re-DISCOVER HYOGO』
知らなかった兵庫の魅力を再発見しましょう。
海や山や島、そして美しい高原が広がる兵庫には、まだまだ知らなかったすばらしい大自然や、古からさまざまな時代を紡いできた建築物が点在しています。
見たことのない風景や知らなかった文化・歴史、地域のおいしい逸品など、ローカルの楽しさと出合う旅へ。
『Re-DISCOVER HYOGO』
知らなかった兵庫の魅力を再発見しましょう。
「日本遺産」は、その土地に伝わる文化や伝統、歴史的な特色など地域の魅力を文化庁が認定するストーリー。
時代やテーマは多彩で、兵庫県では現在9つ認定され全国最多(2020・9月現在)。
国生み伝説や、鉱物資源大国日本の記憶が刻まれた「銀の馬車道」など、魅力あふれる物語に触れることができる。
かつて城下町として栄えた丹波篠山の地は、江戸時代の民謡を起源とするデカンショ節によって、地域のその時代ごとの風土や人情、名所、名産品が歌い継がれている。時代とともに進化し、今や300番にも上る歌詞を通じて、民謡の世界そのままのふるさとの記憶を守り伝えている。
わが国最古の歴史書『古事記』の冒頭を飾り、天地創造の神話の中で最初に誕生した“特別な島”、淡路。その背景には海の民、海人(あま)の存在があり、彼らが生産した金属器や航海技術と豊富な海の幸で、天皇の食膳を司る「御食国」と呼ばれるように。彼らの歴史を想像しながら巡るのもおすすめ。
姫路・飾磨港から生野銀山を結ぶ「銀の馬車道」。明延鉱山、中瀬鉱山へと続く「鉱石の道」。南北一直線に貫く全長73kmの道には、明治の面影を残す宿場町や地中深く掘られた坑道が今もなお存在している。鉱山まちの活気と、景観に触れることで、鉱物資源大国日本の記憶を辿ることができる。
瀬戸、越前、常滑、信楽、丹波、備前のやきものは「日本六古窯」と呼ばれ、縄文から続く世界に誇る日本古来の技術が継承されている。一つとして同じものはできず、微妙な違いを楽しむやきもの。丹波焼の里である立杭地区は、美しい山々と田に囲まれた窯元から炎があがる景色を観ることができる。
江戸時代、北海道・東北・北陸と西日本を結んだ航路を利用し、巨万の富を生んだ北前船。船主自身が寄港地で多種多様な商品を仕入れ、別の寄港地で販売する買い積み方式により、各地に繁栄をもたらした。県内では7つの市町にまたがる寄港地・船主集落は、北前船の世界を今に伝えている。
江戸時代、塩づくり技術が確立された「塩の国」赤穂。瀬戸内の穏やかな海と気候、千種川がもたらした良質の砂からできた広大な干潟は、入浜塩田の開発に適しており、製塩技術は、市場を席巻するまでに成長。国内に名を馳せる赤穂の塩づくりとともに、歴史文化が現在でも息づいている。
西国三十三所は約1300年の歴史を持つ日本最古の巡礼路。観世音菩薩が33の姿に身を変えて人々の悩みや苦しみを救うと説かれ、日本人の心のよりどころとなった。県内には聖徳太子が創建した日本初の観音霊場である中山寺をはじめ、一乗寺・播州清水寺・圓教寺の4つの札所がある。
古くから歴史や文化、生活圏を共有してきた因幡・但馬圏域には、日本海から吹きつける季節風が創り上げた絶景と秘境が広がる。麒麟は他の生き物を傷つけない泰平の世の象徴と伝わる霊獣。村ごとに異なる顔や舞の作法があり、風とともに生きる人々の知恵と歴史が息づいている。
江戸時代、伊丹・西宮・灘の酒造家たちは、優れた技術、良質な米と水、酒輸送専用の樽廻船によって、「下り酒」と称賛された上質の澄み酒「伊丹諸白(いたみもろはく)」をつくり、江戸へ届けた。酒造家たちの情熱は、伝統ある酒蔵としての矜持と進取の気風を生み「阪神間」の文化を育んだ。
地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーを地方自治体が申請し、文化庁が「日本遺産(JapanHeritage)」として認定。2015年から認定が始まり、2020年6月現在、104のストーリーが認定されている。
失恋した女性が、かつて小説家の母と共に訪れた城崎で傷心を癒やす、心温まる短編小説。年に1度は城崎を訪れる著者の体験を生かしたカニづくしの料理や温泉の描写も相まって、読後は湯上がりのようなほこっとした気分に。カニの甲羅をリアルに再現したカバーもユニークな本作は、地元の出版レーベル「本と温泉」が城崎界わいだけで販売。お土産感覚の一冊で名湯の余韻を味わって。
TSUTAYA 篠山店・
箙 伸平さんおすすめ
明智光秀の丹波侵攻の際、最後まで抵抗した黒井城主・荻野(赤井)直正の活躍を、数多く残された城跡の綿密な調査から再現した労作。「丹波の赤鬼」と呼ばれた直正に一度は敗れた光秀は、丹波平定後に悔しさをにじませて信長に報告したと言われる。大河ドラマで注目が集まる光秀と共に、波乱に満ちた戦国時代の丹波の、知る人ぞ知る名将に注目してほしい。
ブックランドフレンズ・
河田秀人さんおすすめ
阪神尼崎駅周辺を舞台に、がんに侵された母を救おうと高校生の息子が奮闘する物語。“笑い”が免疫力を高めると知った息子は、友人と共に漫才コンテストに挑む。母を献身的に支える主人公の姿にジーンとくる。常に笑いの精神を忘れない母との軽妙なボケ・ツッコミも落語作家の著者ならでは。今だからこそ、苦難を笑いに変える親子の生き方が心に響く一冊。
井上書林・
井上陽介さんおすすめ
南北を海に面し、豊かな自然に恵まれた兵庫各地の生産者を訪ね、多彩な名産を紹介した一冊。栽培の苦労話や途絶えかけた種の復活など、知られざる逸話も満載です。料理研究家・白井操さんによるレシピ付きで、読むだけでなく、実際に料理を作って味わうことも可能。ステイホームの時間が長い今こそ、まだ知らない身近な地元の醍醐味を感じてみてはいかが。
宮脇書店 新広田店・
古井尚美さんおすすめ
『信長を殺した男』で話題の作者が、故郷・由良を舞台に描く青春グラフィティ。実在の路地や店、淡路島でも最も強いと言われる方言まで、作者の体験に基づいたリアルな描写は、地元の人なら「あるある!」と思わず納得。「太刀魚と玉ネギしかない」町に生まれたあどにゃーら(由良弁で「アホ達」)が巻き起こす、棒腹絶倒の日常と地元愛あふれるストーリーに元気をもらえる。
城崎文芸館・
花垣まなみさんおすすめ
“読む温泉土産”をぜひ
城崎へかえる
著/湊かなえ