第49回 バブルおそるべし!
3月☆日
なんとなくBSデジタルのチャンネルを替えてたら、トレンディドラマを発見。『世界で一番君が好き!』(BSフジ)。えーっと、浅野温子と三上博史が主演で、リンドバーグ「今すぐキスミー♪ うぉうぉう♪」が主題歌のやつですね。あー、オープニングは浮かぶけど(オープンカーですれ違いざまにキスする)内容思い出されへん、というあなた、だいじょうぶです、内容はありません。新幹線で乗り合わせた浅野温子と三上博史が「第一印象は最悪! でも、なんだか気になる!」というラブコメ定番の関係になるものの、三上の同僚布施博が浅野に、浅野の後輩工藤静香が三上に惚れて、なんだか素直になれないまま…という、そのまんまの話。すごいのは、ひたすら恋愛の話しかしてない。どうやら外資系の会社(西新宿の高層ビル)で働いてるっぽいけど、仕事してる様子まったくなし。仕事中にも恋愛話で呼び出すし抜け出すし、会社にいる「ガイジン」は片言の日本語しゃべってるし、いやー、バブルおそるべし! モノトーンインテリアの部屋で飲んでるビールはもちろんバドワイザー、服は男女ともに特大肩パッド。そしてなにより目が釘付けになってチャンネル替えられなくなったのが、工藤静香の化粧。ノウズシャドウくっきり、っていうか、これはギャグなんかって疑うほどの、顔の3分の1が茶色く塗られた仮装みたいなメイク。すだれ状の前髪が鼻の下までかかってるし、こんなのをお茶の間に流していたなんて、みんななにを見てたんやろか。2秒に1回「なんじゃそら!!」とつっこみながら、30分ぐらい見てしまった。
のちにコント番組やものまねで浅野温子とか工藤静香のパロディってさんざんやってたけど、あれ、大げさにしてへんな。むしろ薄めてる。
しかしナチュラルメイクの浅野温子の顔はかわいい。やっぱり美人なんやなあとしみじみ(その後の演技の濃さが印象強すぎて、顔をじっくり見てなかった)。三上博史も変わらず男前。当時トレンディドラマは皆勤賞か! ってほど出まくってたけど、ほんまは「天井桟敷」出身のアングラな人なんよね。謎な人や。
今見ると、東京の風景がわかっておもしろい。湾岸の高層ビルが少ない。
3月☆日
今度は『東京ラブストーリー』(BSフジ)最終回を目撃。『世界で一番君が好き!』に比べたら、リカの仕事も具体的やし、地方から出てきた仲良し同級生(織田裕二、江口洋介、有森也実)と都会育ちの鈴木保奈美との関係もしっかり描かれててさすが柴門ふみ原作やなと。でも当時も今もわたしはあんまりはまられへんのやけどね(高2の冬の修学旅行の時、ちょうど放送があってみんな部屋で見てたけど、全然見てなくて内容も知らんかった)。
それにしても、鈴木保奈美の服が! 肩パッドにだぶっとしたベージュのジャケット、だぶっとしたタック入りエメラルドグリーンのパンツ、すごい柄のスカーフ。90年頃って20代女子もみんなこんなおばちゃんみたいな格好してたんかなあ。
3月☆日
忙しくなるとスケジュール帳に書く気力がなくなって、真っ白になる。手帳の意味ないやん!
3月☆日
めがねを枕元に置いて昼寝してたつもりが、起きたらおもいっきり体の下に敷いてた! やばい、ゆがんでるやん、と焦ってかけてみたら、あれ、きつくて困ってたとこがええ感じにゆるくなってる。耳の後ろのとこが当たって痛かってんけど、買うた眼鏡屋さんがちょっと遠いからなかなか直しに行かれへんくて、痛いなーと思いつつかけててんけど、それがうまいことゆるくなってるやないですか。なんか得した気分。あー、でもちょっとゆるすぎる気もする。
3月☆日
史上2番目の早さで桜開花のニュースを見ても、絶対ウソやん、そんなわけないやろ、と思ってたけど、近所でもほんまに咲いてる。しかもどんどん満開になっていくし。今年はお花見行きそびれやなあ。
大阪から来た人はみんな桜咲いてるの見てびっくりしてる。今年はさすがに早すぎやけど、基本、桜の開花はなぜか大阪より東京のほうが4、5日早い。桜は一回寒くなったほうがいいのと、日照時間+温度の累積らしいので、冬がよく晴れる東京は早く咲くようです。
それにしても東京は桜が多い。ソメイヨシノって、すべて接ぎ木のクローン、つまり人が植えなあかんわけで、ソメイヨシノが咲いてるのって実は人がようさん住んでますよってことの象徴でもあるんよね。特に戦後に家建った住宅地はソメイヨシノだらけ。
4月☆日
BSプレミアムで、視聴者から昔の映像を募集した番組の再放送をたまたま見た。
3回シリーズの2回目で、ちょうど戦後~高度経済成長期の歴史を振り返る展開やったせいもあるけど、戦後の希望いっぱいの復興期から、やがて都会は利便性を求めて人間らしさを失い、未来を変えようと熱く燃えた学生運動は挫折、経済に走った日本はやがてバブル崩壊……というストーリーに沿って紹介。
せっかく貴重な、個人的にリアルな映像がいっぱいあるのに、単純なストーリーに当てはめるのはもったいない。「昔・伝統・よかった」vs「現代・科学技術・悪」とか、「田舎・自然・あったかい人たち」vs「都会・経済・冷たい」みたいな単純な対立にしても、建設的なことなんもないと思う。便利になって心の余裕ができた、とかもあると思うけどな(江戸時代とかのほうが燃料やら木材やらで木を伐りすぎて禿げ山ばっかりやったっていうし、昔の本読んでるとむちゃくちゃすぎて信じられへん事件とかいっぱいあるし)。都会や工業の映像にはくら~いBGMがつけられ、デパートの屋上での昆虫販売会の映像といっしょに「カブトムシを怪訝そうに見る都会の子供を見て、田舎の子供たちの生き物を慈しむやさしい表情が懐かしくなりました」みたいなお手紙を紹介しててんけど、都会の子供やった自分はこういうの聞かされる度、だって見たことないねんからしゃあないやん、やさしくなくてすんませんなあ、と思ってた。子供はいつどこで生まれるか選ばれへんし、今時の子は~っていう言い方って「その子のせいとちゃうし」といつも思ってしまう。
番組の最後は、大阪万博の映像で楽しいなーと思ってたらこれもやっぱり閉幕後の工事を近所の人が撮ってた映像が出てきて、映像自体はめっちゃ貴重でおもしろいのに、「繁栄の象徴・大阪万博の跡地は廃墟に…」、って暗い感じで終わっててんけど、そこはちゃんと大阪では貴重なきれいで広い公園になってますから!「みんぱく」もできましたから! とテレビに向かって主張してしまった。
その後、夜に再放送じゃなくてやってた、同じように昔の映像を使った『ムカシネマ』というのはおもしろかったので、また次回書きます。
プロフィール
柴崎友香(しばさき・ともか)
1973年大阪生まれ。映画化された『きょうのできごと』で作家デビュー。2007年に『その街の今は』で第57回芸術選推奨科学大臣新人賞、第23回織田作之助賞大賞、第24回咲くやこの花賞受賞。2010年に『寝ても覚めても』で第32回野間文芸新人賞受賞。2014年に『春の庭』で第151回芥川龍之介賞受賞。著書に『青空感傷ツアー』『フルタイムライフ』『また会う日まで』『星のしるし』『ドリーマーズ』『よそ見津々』『ビリジアン』『虹色と幸運』『わたしがいなかった街で』等多数。
公式サイト:http://shiba-to.com/
権田直博(ごんだ・なおひろ)
1981年大阪生まれ。画家。さまざまな手法を使って作品を作り、すべてを絵ととらえている。風呂からパブリックスペースまで幅広く活動中。
キレイ:https://naohirogonda.tumblr.com/
風呂ンティア:https://frontier-spiritus.blogspot.jp/
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