第52回 オペラを観に行ってみた。
5月☆日
高校2年のときのクラスの同窓会で大阪。去年、学年全体で同窓会したのやけど、その時に会った2年のクラスの仲良かった子たちと今度は2年3組でと言ってたのが実現。去年も思ったけど、わたしは結構早くに就職活動的なものから降りてしまって(結局普通の会社に就職はしたけど気持ち的には軌道外れてた)周りも似たようなはみ出し組が多かったので、みんなちゃんと出世したり子供が大きくなってたりしてしみじみ感心。いろいろあったんやなとか、がんばってるんやなとか、でもそれと、全然変わってへんやん!(笑)というのが同居してておもしろい。
そのうちの一人の友達が曾根崎でバーをやっているので、二次会はそこへ。バーボンがいっぱいあるええお店でした。めっちゃ飲んでしまった。
夜中2時ぐらいまでおって外に出たら、お初天神周りの路地、ちっちゃいお店があちこちできててこんな時間やのに賑わってる。この前大阪帰ったときに、ミナミはNGKや道具屋筋の裏手のあたりの、昔はたいして店のなかった路地におしゃれ立ち飲みやらイタリアンやらようさんできててびっくりやってんけど、キタは曾根崎あたりが盛り上がってるんかな。
大阪離れて8年。よう行ってた店がなくなってさびしかったり梅田周辺激変でわからんくなったりもあるけど、実際大阪で暮らしてる人たちにとっては新しいお店ができてなじみの店が増えて、楽しい街が盛り上がってたりするんやな、とちょっとええ気分になった酔っぱらいでした。
5月☆日
高校の友達に限らず、関西とかそのほかの地方の人にどこに住んでるか聞かれて「世田谷」というと「ええとこにお住まいで!」と反応が返ってくる。うん、わたしも東京をほとんど知らんかったころは、世田谷=芸能人住んでるみたいなイメージやった。でも、東京にしばらく住んで感じるのでは、世田谷区の特に北西側で豪邸としてよく名前を聞くのは昭和の映画スターやちょっと懐かしい人で、しかももう引っ越したあとやったりして、その1、2世代前のイメージが強いんやなと。近年お金持ちが住むとこというのはもうちょっと都心っぽい。タワーマンションか、広尾とか麻布とか、おしゃれ系の人はだいたい中目黒かな(いや、よう知らんけど)。
世田谷は確かに、成城とか深沢とか上野毛とか高級住宅地もあるんやけど、昔ながらの商店街も多いし、畑も残ってたり、すぐ、大阪にたとえてまうけど、豊中・吹田、神戸にとっての西宮ぐらいの感じとちゃうかなあ。なんというても世田谷は広いし、人口は89万人! 鳥取、島根、高知、徳島、福井、佐賀、山梨の各県民より多い。
もちろん、全体的に見ても大阪の町工場系下町で育った身には「やっぱり世田谷はちゃうなあ~」って思うとこは多々あるのやけどね。
前に友達が会った“イケてる業界人”が、どこに住んでるか聞いてきて「港区、目黒区はOK、世田谷はギリで、杉並はアウト」と言うてたらしい。人が住んでるとこをギリとかアウトとか、そういう感覚って、全然わからん。
5月☆日
東京で、またもや市岡高校・東京にいる人チームの飲み会。どんだけ仲ええねん、ってつっこまれそうやけど、みんなfacebookやってはるので、連絡取り合ってて(というか、常に動向がわかってて)、大阪ではしょっちゅうなにかしら小さい集まりがあるらしい。こないだわたしが2年3組会行ってたときも、別の集まりが2つ3つあったみたいやし。去年なんか1回、東京と大阪の飲み会場所からSkypeで中継したり。あほですわ(笑)。わたしはfacebookやってないのやけど、今までになかったこういうつながり方って、これからも関係を変えていくのやろな。
今回は一人、6月生まれの子のお誕生日ということでケーキ用意して歌うたって(笑)、いや、ほんまに。みんなそろって40代突入です。
5月☆日
アジサイがきれい。
アジサイって、数少ない日本原産の花なんよね、確か。
土の酸性度によって色が変わるみたいやし、時期によって変わっていくのもきれいやし、長く楽しめてうれしい。植物がよう育つ世田谷、あっちにもこっちにもかなり背の高いのがぶわーっとかたまりになって咲いてて、特に世田谷線や井の頭線沿いに見えるんがとてもうつくしい。
子供の頃はガクアジサイが好きやったけど、今はオーソドックスなやつで赤紫っぽいのが好みかなー。
そういえば、千里の万博記念公園でしばらく公園の取材エッセイを書いてたことがあったんやけど、あそこのアジサイはほんまきれいやったな。川沿いのところとか。見に行きたいなあ。
5月☆日
オペラを見に行ってみた。東京オペラシティで『コジ・ファン・トゥッテ』っていうモーツァルトのん。オペラは、全然詳しくない。
クラシック自体、BSの『名曲探偵アマデウス』で少々学習したぐらいで、有名な曲でもようわからんのですが、Twitterで感想を見かけて、オペラシティが今の家から行きやすいので、行ってみた。4階のいわゆる「天井桟敷」な安めの席。端っこやけど一番前を取って、会場に着いて、しまった!!! めちゃめちゃ高いやん!! 値段じゃなくて、高さが!! 怖いっす! 無理無理無理……。わたし、3年前に突如高いところが怖くなって(『わたしがいなかった街で』に収録の短編『ここで、ここで』を読むと理由がわかります)、ビルの展望台みたいなガラスに囲まれたとこは平気やけど、物理的・現実的に落ちる可能性があるとこは3メートルぐらいでも全然だめなんです。それやのに、ここ余裕で20メートルあるやん! ステージほぼ真下やん! ほんで柵が低い!! 必死で舞台側のほうを見ないようにして手前の席の人の足の隙間を進んでいくだけでもかなりのパニック状態。でも開演ぎりぎりやし、とりあえず席に着いた。が、怖くて下が見れません。せっかく双眼鏡も入手してきたのに……。なんとか意識を逸らしつつ、ステージの後ろの方を中心に観たけど、恐ろしすぎてゆっくり楽しめず。休憩時間に後ろの席に移ろうと画策したんやけど(平日昼間の回やから空いてた)空いてると踏んだ席に「ここ座ってますけど」って人が来て、結局元の席に。でも隣で空いてた席、前に一列あるので崖っぷち感が薄れるとこに移って、ちょっと落ち着きました。あー、ほんま、死ぬかと思った。去年ニューヨークでメトロポリタンオペラ行ったときも4階天井桟敷やって、でもうしろのほうやったから怖くなかったんで、油断してた。次からは2階席以下にせんと(でも値段が高くなる……)。
あ、肝心のオペラ、現代シチュエーションにアレンジされててキャンプ場にギャルとパンク男みたいになってて、セットがぐるぐる回るのとかもおもしろかった。オペラを評する語彙がないのでどういうたらええかわからんけど、歌も演奏もとても美しくて、晴れやかな気分になりました。
ストーリーは、男が賭に乗って別人のふりして彼女を誘惑する、ラブコメ? 最後は話広げすぎてまとまらんかったけど無理にまとめました感ありありで、とってつけたように前向きで理性的な人は幸せって結論で終わって、なんじゃそら、と思ったけど、昔の物語のこういう無茶なところ好きです。
プロフィール
柴崎友香(しばさき・ともか)
1973年大阪生まれ。映画化された『きょうのできごと』で作家デビュー。2007年に『その街の今は』で第57回芸術選推奨科学大臣新人賞、第23回織田作之助賞大賞、第24回咲くやこの花賞受賞。2010年に『寝ても覚めても』で第32回野間文芸新人賞受賞。2014年に『春の庭』で第151回芥川龍之介賞受賞。著書に『青空感傷ツアー』『フルタイムライフ』『また会う日まで』『星のしるし』『ドリーマーズ』『よそ見津々』『ビリジアン』『虹色と幸運』『わたしがいなかった街で』等多数。
公式サイト:http://shiba-to.com/
権田直博(ごんだ・なおひろ)
1981年大阪生まれ。画家。さまざまな手法を使って作品を作り、すべてを絵ととらえている。風呂からパブリックスペースまで幅広く活動中。
キレイ:https://naohirogonda.tumblr.com/
風呂ンティア:https://frontier-spiritus.blogspot.jp/
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