大阪ラーメン戦国時代、若手注目店

2015.3.27 19:51

らーめん颯人(南森町)
西長堀の「カドヤ食堂」で4代目店長を務めた石垣直人さん。醤油は鶏ベースのスープが秀逸。まずはその深み、新しい試みでもある細麺を味わおう。しょうゆらーめん720円

(写真3枚)

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思えば2014年は大阪ラーメン新店ラッシュ。後半は特に勢いが増し、そのまま2015年に突入。あっという間にその勢力図が変貌するラーメン戦国時代の到来となった。中でも名店出身の独立店や、あの名店の2号店が都心部に向かって進撃! と、老舗や重鎮たちを脅かすことに。食べ歩きにも最適な季節、ラーメンイベントやフードイベントも続々開催。その前に、その有力店を再確認だ!

名店で修行を積んだ若手注目店

いわゆるご当地麺や戦後すぐからの屋台出身店、さらにはこってり豚骨、Wスープやつけ麺の台頭。それらと平行して、自家製麺の勢力も大きく地図を塗り替えた。

2ndインパクトとも言えるカドヤ食堂龍旗信麺や輝、金久右衛門、きんせいなど、長期的に見ればこの世代の充実ぶりはすさまじきものを感じる。もはや戦後復興時の屋台ラーメン発生→地元に根付いた現在の老舗と同じくらいのエネルギーではないか。そしてそのような麺業界の異変はもう来ることなんてないさ~、と思っていた。

だがしか~し、3rdインパクトに位置する世代は確実にシーンを席巻している。特に比較的後発のきんせい一派の流れを見れば、その変貌、すなわちラーメンの進化が見て取れる。「きんせい」から「ラーメン人生JET」そして「桐麺」へと世代を重ねることで、師を超えようとしている。もちろんすぐに超えるのは難しいのだけれど、いずれ現状の師匠の味を超える瞬間が来る。それ以上に師匠が進化すれば永遠に超えることができないのだけれど、いずれ師匠が隠居した後、同じように進化し続ければそのポイントが来るわけだ。右に紹介するのは当然のことながら師匠超えを目指す気概を持った方たちばかり。

らーめん桐(神崎川)<br />  福島の「ラーメン人生JET」出身の店主・桐谷尚幸さん。もちろんがっつり鶏の旨み成分が抽出されたスープは、一口で30分は余韻を楽しめる濃~い味わい。鶏麺しょうゆ730円
らーめん桐(神崎川)
福島の「ラーメン人生JET」出身の店主・桐谷尚幸さん。もちろんがっつり鶏の旨み成分が抽出されたスープは、一口で30分は余韻を楽しめる濃~い味わい。鶏麺しょうゆ730円

今、新店続々のラーメン業界。てことは、常に精進しなければ淘汰されてしまう世界でもある。この飽和状態とも言えるシーンを通過した後、生き残る店達のラーメンは、さらにステージを一つアップさせてくるはず。細分化され、様々な素材や手法を取り入れ、地方や国境を越え、それでもなお密度の高い大阪でラーメンを提供し続けた結果は、大衆がラーメンに対して飽きることがないからこそ成り立つ。「飽きさせないラーメンを作り続ける」ことが四次元的シーンの爆発を生む。

大杉製麺(西中島)<br /> 福島の「みつ星製麺所」出身の大将・大杉誠さんと居酒屋などを展開する山下弘起さんの自家製麺店。まったりとした鶏と野菜の風味が楽しめる鶏×鶏濃厚ラーメン700円
大杉製麺(西中島)
福島の「みつ星製麺所」出身の大将・大杉誠さんと居酒屋などを展開する山下弘起さんの自家製麺店。まったりとした鶏と野菜の風味が楽しめる鶏×鶏濃厚ラーメン700円

もうすでに、その兆しが上の3店、もしくは2014~15年にラッシュで誕生した新店の鉢から溢れている。ラーメン好きでなくともこの状況を見ておくべきだと、各店主の目の奥が語っていた。

取材・文/まんぷくライター・曽束政昭
プロフィールはこちら

若手注目の3店

「らーめん颯人」
住所:大阪市北区南森町1-2-2
電話:06-6312-8276
時間:11:00~14:30、18:00~21:00(食材がなくなり次第閉店)・月曜休

若手注目の3店

「らーめん桐麺」
住所:大阪市淀川区三津屋北3-1-15
電話:06-6309-8040
時間:11:00~15:00、18:00~22:00(売切次第終了)・水曜休

若手注目の3店

「大杉製麺」
住所:大阪市淀川区西中島3-12-15 新大阪龍馬ビルB1F
電話:06-6309-7188
時間:11:00~16:00(売切次第終了)・日曜休

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