文房具コメディ、ヨーロッパ企画レポ

2015.9.9 17:11

見慣れた文房具も宇宙人にはとても新鮮なようで

(写真2枚)

普段何気なく使っている文房具の数々を”観光”する・・・。そんな前代未聞の舞台に挑む、京都の劇団「ヨーロッパ企画」の新作『遊星ブンボーグの接近』のプレビュー公演が「栗東芸術文化会館さきら」で上演された。

雄々しいオープニングソングに続いて出てきたのは、なんとコントのような「いかにも宇宙人」な集団! 彼らが添乗員とインストラクターの案内の元、私たちにはおなじみの文房具の数々を見て回る・・・という趣向だ。

この様々な文房具に対する、宇宙人たちのリアクションが何とも新鮮。ホチキス一つとっても、ホッチキスとどっちが正式名称なのかでもめたり、紙があるのとないのとで押し心地が違うとはしゃいだり、換え芯が折れてあせったり・・・。まるで知らない玩具を与えられた子どもの反応を見ている時のような、ほほえましい時間が流れていく。

しかし、あるきっかけで彼らの置かれている状況が明らかになってからは、一気に笑いがあふれる正統派のコメディに。文房具への疑問やうんちくをワイワイと語り合ったり、想像の斜め上を行く使い方をしてみせたりと「ようそんなこと考えつくなあ」と笑いながら感心するシーンの連続だ。

新しい視点での文房具の使い方を提案
新しい視点での文房具の使い方を提案

中にはヨーロッパ企画初のダンスシーン(!)や、最後はちょっとハラハラするクライマックスが待っているけど、観た後は「やっぱり文房具っていいよなあ」と思わずニッコリ。気持ちよく笑えるのと同時に、文房具の楽しさとそれを使う喜びを、今一度思い出させる舞台になっていた。このプレビューを経て、さらに厚みと精度を増すであろう本公演、文房具に愛がある人もない人も大いに期待して!

取材・文/吉永美和子、写真/清水俊洋

ヨーロッパ企画『遊星ブンボーグの接近』

作・演出:上田誠
音楽:HARCO
出演:石田剛太、酒井善史、角田貴志、諏訪雅、土佐和成、中川晴樹、ほか

日程:京都公演=9月10日(木)~13日(日)、大阪公演=10月10日(土)~15日(木)
会場:京都府立文化芸術会館、ナレッジシアター
※公演詳細はこちら(京都公演/大阪公演)

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