芦屋の子どもたちがグルメな理由とは?

2018.12.7 12:00

ヨーロッパでは、ソーセージやベーコンなどに添加物を使用しないことを話す楠田シェフ

(写真4枚)

兵庫県芦屋市の公立小学校8校では、毎年秋に食育カリキュラムとして「味覚の授業」がおこなわれる。教えるのは、市内の有名レストラン8店のシェフ。ミシュラン星獲得店や予約の取りにくい人気店のシェフから、子どもたちがどんなことを学ぶのか、芦屋市立岩園小学校6年生の「味覚の授業」をのぞいてみた。

今年、同校の「味覚の授業」を担当するのは、ハムやソーセージ、惣菜などを販売する「メツゲライクスダ」のオーナー楠田裕彦シェフ。ドイツやフランスでの修業経験を活かした本場の食肉加工品が評判の店だ。まず、豚の腸にスルスルとひき肉が詰められていく生ソーセージ作りが映像で紹介され、子どもたちは「あれ腸なの?」という驚きとともに、ソーセージが完成する様子に歓声をあげた。

ごく薄いサラミから、うまみがじわじわとわいてくる体験をみんなで楽しんだ

授業の終盤、各テーブルに薄くスライスしたサラミが配られた。肉・塩・香辛料と少しのニンニクのみで半年間熟成させた、楠田シェフの店でも一番クセの強いサラミだ。「20〜30回ぐらいよくかんでください」とシェフ。子どもたちは、熟成のにおいを確かめたあと口に入れ、何回もかんで味の変化に集中した。

かむことで変化するサラミの味わいを、一生懸命、シェフに伝える子どもたち

「しょっぱかったけど、最後は生ハムみたい」「においが気になったけど、食べてみたらおいしかった」「最初はからかったけど、かんでるとからくなくなっておいしくなった」など、子どもたちからはどんどん感想が出てくる。楠田シェフは「添加物を入れなくても、塩があれば腐らない伝統的な食品を味わってもらいたかった」と話す。筆者も食べてみたが、独特な発酵のにおいがあり、口に入れると最初は確かに塩辛く感じるが、すぐに旨みがあふれ出て、最後は甘さを感じるくらいにまで変化した。

『味覚の授業』

芦屋市

『味覚の授業』

「味覚の一週間」®

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