京都・老舗の新業態、「だし」が主役の惣菜店。その意図は?

2022.1.10 08:50

惣菜は1人で食べきれるサイズ。すべての惣菜に自慢のだしが使用されている

(写真9枚)

創業約120年を数えるおだしの専門店「うね乃」が、惣菜ストア「ALLOUNENO(アロウネノ)」(京都市下京区)を12月10日にオープン。だし文化の魅力を伝えることを目指すという。

現在は4代目・采野元英さんが営む「うね乃」は、添加物を一切使わず昆布や鰹節といった上質な天然だし一筋の老舗。新店舗も「こころとおなかのエナジースタンド」をコンセプトに、無添加の惣菜やお弁当を販売する。

先々代の頃までは、鰹節を塊のまま販売するのが主流だったが、先代の頃には削ったかつお節を求める声が増えるように。さらに昨今は、「だしを取っても味付けがわからない」「だしパックをどう使っていいかわからない」「そもそもだしパックを取る時間もない」なんて声が増えたのだそう。

そこで、だし離れを防ぐために同店を開店する運びに。「おだし屋さんも時代に合わせて変化させないと。何十年も変わらない家庭の味を知ってほしいし、うちで販売している惣菜を家庭でもマネして作ってほしいです」と采野さんは話す。

メニューすべてに天然の旨味が詰まったおだしを惜しみなく使用し、やさしい味わいに。だしまき卵とのり弁がセットになった「うね乃弁当」(1296円)をはじめ、肉じゃがや五目豆など、昔ながらの惣菜もあれば、味噌デミソースのハンバーグや昆布だしとオリーブオイルのレモンチキングラタンといった変化球もそろう。

客からは、「市販の惣菜は味が濃いものが多い印象ですが、こちらのは薄味でおいしい」「体にいいものは食べたいけど、一から自分で作るのはめんどくさいと思っていたので助かります」と、評判も上々だ。

店内にはイートインコーナーもあり、お弁当を食べたり、惣菜をアテにワイン(550円)やビールを楽しむことも可。店内ではだしパックや味付け不要の調味料入り出汁のジュレ、万能汁つゆなども販売されていて、惣菜のレシピや製品の使い方も気軽に教えてもらえる。

そのほか、弁当に使用している滋賀県の自社農園産のオーガニック米や、近郊の農園から直送される無農薬や減農薬の野菜の販売もあり。営業時間は朝11時〜夜8時(なくなり次第終了)、火曜休み。場所は地下鉄五条駅、京阪清水五条駅から共に徒歩約5分。

取材・文・写真/天野準子

「ALLOUNENO」

2021年12月10日(金)オープン
住所:京都市下京区塩釜窯町557メゾンドール五条1F
営業:11:00~20:00(なくなり次第終了) 火曜休

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