神戸の和菓子「菊水總本店」150年の歴史に幕、閉店惜しむ声
神戸「湊川神社」の向かいに店を構え、150年以上の歴史を持つ和菓子店「菊水總本店」(神戸市中央区)が3月21日に閉店。連日、閉店を惜しむ人々が多く訪れている。
1868年(明治元年)創業、神戸土産「瓦せんべい」が長年愛されてきた同店。神戸ゆかりの武将・楠木正成をまつる「湊川神社」社殿建立の際、瓦を寄進する習わしにちなみ、正成の勇姿を焼き入れたせんべいが作られたという。
店舗や設備などの老朽化にともない、2月21日に公式サイトで閉店を発表。その大きな反響に、堀木利則代表は、「閉店の日まであるかどうかというぐらい多くの注文をいただき、お求めに応えられない品薄な現状に心苦しい思いです」と話す。
「瓦せんべい」の売り上げのピークは1981年の『神戸ポートアイランド博覧会』の頃だといい、その後、経営難で「UCC上島珈琲」の子会社に。2010年1月に一度は廃業するものの、伝統を残すため元従業員らが立ち上がり、2カ月後に営業を再開させた。
4年前には昭和期に販売していた「楠公餅」を復活させ、店内のティールーム「菊水茶廊」では改良を重ねたかき氷に行列ができるなど、時代とともに幅広い年齢層のファンを増やしていた。
存続を望む声もあったが、堀木代表は「繋がりが深い湊川神社の前という場所、そして1人の職人が昔ながらの味を作るという今までの形こそに意味がある」と閉店を決意。「高齢のお客さまがお菓子を食べる度、子どもの頃に神社にお参りした懐かしさがこみあげると言ってくださり、思い出もつまった味なのだと日々感じています」と、感謝の気持ちで振りかえった。
取材時に来店していた神戸・元町在住の40代女性は、「卵がたっぷり、生地はしっとり感もあるやさしい味わいで、ここの瓦せんべいが1番好き。神戸を離れた知人によく贈っているので、閉店を知り度々来ています。神戸らしいお店がなくなるのが本当に寂しい」と話した。営業は朝9時~夕方6時。「菊水茶廊」はドリンクなど一部のメニューのみで営業(変更の場合あり)。
取材・文・写真/塩屋薫
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