京都でルーヴル展、38万点収蔵品から「愛」テーマの73作品

2023.6.27 11:00

『ルーブル美術館展』が6月27日に開幕

(写真8枚)

フランス・パリにある世界最大級の美術館「ルーヴル美術館」が誇る、さまざまな「愛のストーリー」が京都へ。企画展『ルーヴル美術館展 愛を描く』が「京都市京セラ美術館」(京都市左京区)で6月27日より開幕した。

7万3千平方メートルの巨大な展示スペースを有し、『モナ・リザ』や『ミロのヴィーナス』など有名な作品を含む、実に38万点の貴重な収蔵品を収めている「ルーヴル美術館」。全ての作品をじっくり見るには1週間は必要だともいわれている。

そんな「ルーヴル美術館」の膨大なコレクションのなかから、同展では「愛」をテーマに、精選された作品の数々を73作品を展示。ギリシア・ローマ神話を題材とした神話画や人々の日常を描く風俗画、聖書のワンシーンや宗教に関する逸話を描く宗教画など、16世紀から19世紀半ばまでのジャンルの異なる絵画からさまざまな愛の表現を紐解いていく展覧会となっている。

通常1会場で展示をおこなうところ、同展には「京都市京セラ美術館」の「本館」と「東山キューブ」の2会場を活用し、ゆったりと名画を楽しめる。章立てのなかにも各部屋ごとに親和性の高い作品を連続で展示し、壁紙の色でも世界観を創ることで、空間全体として共通のテーマを表現している。

同展は、4章立て。展示室に足を踏み入れると、桃色の壁紙に同展メインビジュアルで神々の愛をテーマに描かれた『アモルの標的』が出迎えてくれる。第1章は『愛の神のもとに』をテーマに、ギリシア・ローマ神話を題材に欲望に突き動かされる神々や人間の愛を表現した作品を展示する。

第2章の『キリスト教の神のもとに』では、第1章の絵画とは対照的に、自己犠牲による愛が描かれる絵画が登場。続く第3章『人間のもとに』では、神々ではなく現実世界を生きる人間たちの愛が描かれた作品が展示され、最終章『19世紀フランスの牧歌的恋愛とロマン主義の悲劇』では身分制が解体された18世紀末から19世紀における素朴でロマンティックな恋愛を描く作品たちで締め括られる。

開幕前日のメディア内覧会には、同展監修者である「ルーヴル美術館」絵画部門 学芸員のソフィー・キャロン氏が来日。同展の目玉であり、26年ぶりに日本で展示される作品『かんぬき』を「ルーブル美術館18世紀フランス絵画コレクションの傑作」と説明し、「優雅で魅力的ながら、同時に緊張感も感じる。一義的に解釈できず謎めいている」と、その魅力を解説した。

同展は9月24日まで通期で開催。時間は朝10時から夕方6時まで(最終入場は閉場の1時間前)。料金は一般2100円ほか。

取材・文・写真/宮口佑香

特別展『ルーブル美術館展 愛を描く』

期間:2023年6月27日(火)~2023年9月24日(日)
※月曜休(祝日の場合は開館)
会場:京都市京セラ美術館 本館 北回廊1階・新館 東山キューブ(京都府京都市左京区岡崎円勝寺124)
料金:当日券 一般2100円、高校・大学生1500円、小・中学生1000円
電話:075-200-888(チケット問い合わせ キョードーインフォメーション)

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