大阪で世界初公開、11mの「ド迫力恐竜」…傷跡残るリアルさ

2023.7.8 14:00

全長11.2m、世界初公開『ティラノサウルス(タイソン)』全身骨格(タイソン ティラノサウルスレックス合同会社所蔵)

(写真9枚)

実物化石を軸に、恐竜たちの進化に迫る特別展『恐竜博2023』が、7月7日から「大阪市立自然史博物館」(大阪市東住吉区)でスタート。世界初公開となる「ティラノサウルスの全身骨格」など、貴重な展示品が勢ぞろいする。

恐竜たちの「攻・守」をテーマにそれぞれの特徴を紹介し、今春の東京会場では40万人以上が来場した同展。会場でまず目を引くのは、「守」代表の鎧竜「ズール・クルリヴァスタトル」と、「攻」代表の肉食恐竜「ゴルゴサウルス」の対峙シーンを復元骨格で再現した展示だ。「ズール」の尾が相手の脛(すね)を攻撃する様子が、光の動きでも表現されている。

その奥には、日本初公開となる「ズール」の全身実物化石が。1個体で頭骨から尾の棍棒まで発見されるのは珍しく、さらに皮骨の表面には通常は残らない「ケラチン質」まで保存されているレアなケースだという。三角錐のようなゴツゴツのトゲ状の皮骨、先端の棍棒を振り回せる強靱な腱の束から成る尾を鑑賞しながら、「『守』ながらも相当な攻撃力があったのでは」など、想像を膨らませるのも楽しそうだ。

学芸員の田中嘉寛さんは、「肉食恐竜から身を守るために進化した装盾(そうじゅん)類にもスポットを当てた貴重な企画。私は『守』推しで、『ズール』化石を単眼鏡で拡大して見たら葉や貝殻まで発見でき、いくらでも見ていられる価値があります」とコメント。

肉食恐竜のティラノサウルス「タイソン」は、これまでに177個もの実物化石が発見されており、それらを含む全身組立骨格が一般公開されるのは同展が世界初。右の上腕骨には、ほかのティラノサウルスにかみつかれたと推測される痕跡も残っている。さらに、2020年に新種として命名された南半球の肉食恐竜「マイプ・マクロソラックス」の尾椎などの実物化石も世界初公開される。

グッズ売場には、人気キャラクター「コウペンちゃん」とのコラボグッズや国宝絵巻『鳥獣人物戯画』をモチーフに創作した菓子など、オリジナル品がスタンバイ。期間は9月24日まで、入場料は大人1800円ほか。開館時間は朝9時30分~夕方5時(入場は閉館の30分前まで)。月曜休(祝休日の場合は翌日休、8月7日・14日は開館)。

取材・文・写真/塩屋薫

『恐竜博2023 THE DINOSAUR EXPO2023』

期間:2023年7月7日(金)~9月24日(金)
※月曜休(祝日の場合は翌日休、8月7・14日は開館)
時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
※8月11日~15日は9:00~開館
会場:大阪市立自然史博物館 ネイチャーホール(大阪市東住吉区長居公園1-23)
料金:大人1800円・高大生1500円・小中学生700円

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