南大阪の新商業施設・ワタワン、マニアックな角度で楽しんでみた

2024.5.4 08:00

ムックみたいな毛むくじゃらの椅子や、滴るなにかが脚になっているテーブルもおもしろい(場所は「フロアディスコボール」)

(写真9枚)

南大阪の新名所として5月1日、ショッピングから宿泊まで楽しめる複合商業施設「WHATAWON(ワタワン)」(大阪府岸和田市)がオープンした。

コンセプトは「等身大の非日常」。南大阪民にとって親しみ深い「蜻蛉池(とんぼいけ)公園」前という緑あふれるロケーションで、多様なジャンルや価値観が混ざり合う、ワクワクする場所を作りたいとの想いが込められている。

完全キャッシュレスでペットOK、まさに次世代型施設といえる「ワタワン」。「美味しいモノ。面白いモノ。お洒落なモノ。全てが揃う場所」を謳う、和泉市のアパレル会社が手がけるこの施設は、個人オーナーならではのこだわりが盛りだくさん。今回は、同施設のいわばB面とでも言うべき、知ると誰かに言いたくなるマニアックポイントを紹介したい。

■ 「工事が間に合ってない?」想像の一段上をいく、しつらえの数々

イギリスのボックスパークから着想を得たという、コンテナを並べたショップエリアと単管パイプ(場所は「ショーディッチハイストリート」)

黒とグレーを基調にスッキリとまとめられ、オシャレ感がそこはかとなく漂う施設内には、単管パイプで組まれた手すりがあちこちに見受けられる。単管パイプというと建築現場では足場材などに使われることが多く、仮設の意味合いが強い資材。「あれ?工事が間に合ってないのかな?」と思ってしまいそうなところだが、ここではこれが完成形。既成概念にとらわれず自由な発想で、ラフに楽しめる非日常空間に仕上がっている。

等身大の非日常は、イベントスペース「フロアディスコボール」にも。ステージ周辺を彩るミラーボールに目を奪われてしまうが、客席スタンドを最上段まで登ってみよう。そこに待ち受けるのは、カラーロープをわさわさ!っと束ねたようなユニークな椅子など「どこで見つけてきたん!」とツッコミたくなるアーティスティックなインテリアの数々。

オーナーが海外へ出向いてワタワンのためにセレクトしたものを配置しており、他エリアの席とは一線を画している。ここからはステージを見下ろせ、まるでVIP席のような特別感あふれる造りに。イベントがない時は、隣接するフードホールの商品を持ち込んで食べることもできる。

■ 大胆なデザインワークと遊び心に感心

ハレの日を感じさせる、水引のようなデザイン(場所は「京町湯屋 SOKOTOTO」)

宿泊者やキャンプ利用者にもうれしい、陶板浴やサウナが楽しめる温浴施設「京町湯屋 SOKOTOTO」に入ってみる。ほんわかと温かい空気に引き寄せられて足早になりそうなところだが、ちょっと立ち止まって見てほしい。なんだか慶事で目にする水引のようなデザインの暖簾が掛けられ、まるでハレの日を日常に置いて楽しむような大胆さすら感じられる。

駐車場にもちょっとした遊び心が。思わずステップを踏みたくなるピアノのような横断歩道が、駐車場と施設へのルート上に描かれている。鍵盤の上を歩くなんて、ネコかタケモトピアノのダンサーくらいだと思っていたけど、ここでなら人もイヌも存分に写真を撮って楽しめる(もちろん、往来する車には気をつけて!)。

そして最後に紹介するのは、デザインにこだわったセレクトショップエリア「WBOX」の中央カウンターで異彩を放っていた巨大な物体、「シンギングボウル」。「あぁ、トガった感じのディスプレイね、はいはい」と片付けてはならない。売り物として、巨大な法具が鎮座している。お値段は275万円。これはもはや、「デザインにこだわり」どころではない。急にこういうものを放り込んでくる、油断ならなさがあった。

驚愕の275万円!「シンギングボウル」(場所は「WBOX」)
駐車場に隠されている、ピアノみたいな横断歩道

「親子三世代、みんなが楽しめる場所」を目指す同施設には、オーナーをはじめスタッフの手仕事が活きている場所がたくさんあるという。ファッションに雑貨、グルメにライブイベントなど、楽しいがたくさん詰まったワタワン。まだ見つけきれていない細かすぎる見どころが、ほかにもあるかも?訪れるたびに新たな発見がありそうだ。

取材・文・写真/脈 脈子

「WHATAWON(ワタワン)」

住所:大阪府岸和田市岸の丘町1-32-1
時間:10:00〜22:00(店舗によって異なる)、年末年始休業

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