150種の魚介を水揚げ!? 兵庫・淡路島の漁港で「せり」の体験ツアー[PR]

6時間前

こんな間近で「せり」を見学できるなんて!

(写真15枚)

威勢の良い声をあげて魚の仕入れ値を決める「せり」。テレビで見ることはあっても実際に目にしたことがある人は少ないのでは? そんな貴重なせりを見学できる1日1組・4人限定のツアーが、淡路島にあるんです。実際の現場ってどんな雰囲気?漁師さんの邪魔にならないかな・・・ちょっとしたドキドキを胸に、参加してきました!

■ いざ「天然の良港」へ! 既にワクワク

ツアーの待ち合わせはこちらで

淡路島の東側、ちょうど真ん中あたりにある「由良漁港」は「天然の良港」と呼ばれ、約150種類もの魚介が水揚げされるそう。目の前に定期航路である紀淡海峡が広がり、瀬戸内海、大阪湾、さらに太平洋側へも漁に出られる恵まれた立地。風の影響が少ない海を選んで漁ができるため、1年中ほぼ休むことなく稼働しており、北風が強まる秋冬はとくに、全国からの注文に応えているのだとか。

この日は漁港近辺は北風が強く、漁獲量はふだんの5分の1ほど。いつもなら35隻ほどの漁船が由良漁港に集結するそう

こちらで開催される「由良漁港セリ見学ツアー」。前半はプロの仲買人(なかがいにん)・山口周三さんと一緒に普段なかなか入れない漁港内部に潜入し、まずは水揚げされたばかりの魚たちを間近で&時には触れながら、せりの準備に励む漁師さんの仕事も見学。その後に「由良漁港」特有のせりの流れを教えてもらって、せり現場を見学! 漁港に入ることもなかなかない経験で、既にワクワクします。

今回の案内人・山口さん。その道30年の仲買人で、主に高級ホテルなどの宿泊施設に出荷しています

■ せり直前の漁港、殺伐としていると思いきや…?

さまざまな魚を見学。秋口に「由良漁場」で取引されるのは主にタイ、ハモ、アジ、サバ、アシアカエビ、イカなど。活きが良いタイがピチピチと跳ねて水しぶきが顔にかかったのも良い思い出!

せりの準備が進む漁港探検からツアーがスタート。水揚げされたばかりの魚たちを山口さんが次から次へと手に取って見せてくれます。「ハモは夏のイメージがあるけど、実は10~11月ごろがおいしい!産卵を終えて食欲が増し、脂がのって弾力がある」・・・そう、魚を知り尽くした仲買人ならではの豆知識が聞けるのもこのツアーの醍醐味です。

高級魚ハモも豪快にホールド!切り身になっていない元の姿をはじめて見ました

深夜~早朝に漁に出る漁師さん。朝どれの魚たちが漁船から次々と漁港にあげられ、種類ごとにトロ箱にのせられていきます。せり直前の漁港。もしかしたら殺気立った雰囲気かも・・・?と実はちょっと身構えていたのですが、漁師さんたちはみなさんとってもフレンドリー。「この魚は何ですか?」「今は何の作業中ですか?」のような素人質問にも笑顔で教えてくれました。


こちらでは、とれたてほやほやのカマスやホウボウなどのお魚をせっせと仕分け中
こちらでは、カマス。せりの準備は手作業なのです。大変!

■ 瞬き厳禁!「由良漁港」特有のせりをご覧あれ

そもそもせりとは、魚市場や漁港で取引する魚を誰がいくらで買うかを決める方法のこと。定義はこれですが、そのやり方は各漁港や市場によりさまざまです。「由良漁港」では、仲買人がかまぼこ板に希望の値段をチョークで書いてボックスに投げ込み、そのなかで最も高い金額を書いた人が落札するシステム。百聞は一見にしかず。いよいよせり現場を目の前で見学です!

かまぼこ板は4マスに分かれており、下から「十」「百」「千」「万」と桁が書かれています。このうち3マスのみを埋めるのがルール。4マスに数字を書いたら無効になるそう

ベルが鳴って「始めます!」などの掛け声はとくになく、阿吽の呼吸で始まったせり。先ほど準備されていた魚がのったトロ箱が木製の台へどんどん運びこまれていきます。それを仲買人たちが瞬時に目利き。なんと驚き!暗算しながらかまぼこ板に希望値を書き込みます(すごすぎる)。「やまぐちー!」と名前が呼ばれると落札成功。この間、ものの30秒。仲買人たちの熟練の技を身をもって体感!

どんどんトロ箱が運び込まれてきます。時には表面を触ったり持ち上げたりしつつ、ものの5秒で瞬時に目利き
先ほどまで笑顔だった山口さんもこの眼差し!

せっかくなので、この日あがったタイの目利きポイントを山口さんに聞いてみました。「とにかく光沢があること。あとは顔がべっぴんさん!」とのこと。ビジュアルや魚の形が整っているほか、鱗の上にヌルヌルしたぬめり気からくる光沢が新鮮かつ状態の良いタイの証。光沢のない魚は網で擦れてしまっている可能性があるそうで、落札後もできるだけ触らずに出荷するそうです。

「ぬめり気からくる光沢」とはこのことか!と、このタイを見て納得。ここまで艶やかなタイが見られる機会はなかなかないかも

■ 濡れてもOKな服装での参加がベター

せりは昼前の11時半に始まり、概ね昼2時ごろまで行われるとのこと(その日の漁獲量によって異なる)。ツアー終了時刻の12時になっても山口さんは絶賛せりに参加中のため、思う存分見学できたら、軽く挨拶してそっと漁港を後にするという、なかなかシュールな終わり方も、なんだか漁港にいる人の一員になった感覚に。

風の強い日なら、ロングヘアの人は髪をまとめていくのが吉。見学に集中できるはずです。なお足首下くらいまでくる、海水が深い場所にも潜入するので、レインシューズや長靴を履いていくと安心。威勢の良い魚たちがピチピチ跳ねて水がかかるのに備えて、上下の衣服も濡れてもOKな服がベター。

スニーカーで行っても膝下くらいまで包み込んでくれるシューズカバーは貸してもらえますが、やぶれてしまうこともあるので悪しからず

仲買人さんや漁師さんはお仕事中。「ここで見学してください」「ここからは入れないですよ」など、注意事項は都度教えてもらえるので現場でのルールは必ず守って見学しましょう。目利きのコツや旬の魚など「魚情報」を色々聞けて、自分の食卓にも生かせるかも?私たちのおいしいお魚の源流 由良漁港でプロの仲買人の仕事を間近で見てみませんか?

『由良漁港せり見学ツアー』
時間:通年(水曜・木曜)10:30~12:00
料金:8000円/人
※1日1組(最大4名)限定。2名以上受付
※見学料・ガイド料・シューズカバー代込み

2025年に開催される『大阪・関西万博』を契機として、多くの方々に淡路島に訪れていただくため、多彩な観光コンテンツやイベントを展開する『AWAJI 島博』の開催が決定!今回紹介した体験ツアーのような、食を支える農業・漁業・畜産業、瓦などの地場産業など、「淡路島でしか味わえない体験」を堪能できる体験コンテンツを多数取り揃えます。

取材・文/宮口佑香 写真/本郷淳三
提供/淡路島観光協会

漁港には、早朝から漁に出発した漁船が次々と帰ってきます
まさに「投げ込む」というワードがぴったり。落札者が決まったらその仲買人のかまぼこ板のみがボックスの前に並べられる仕組み。このプロセスが繰り返されます
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