人気ベーカリー「パンデュース」のシェフ独立、神戸で夢実現

2024.12.7 08:55

米山雅彦さんが自身のお店「PanCalite」を12月7日にオープン

(写真14枚)

大阪の人気ベーカリー「PAINDUCE(パンデュース)」のシェフブーランジェとして立ち上げから20年勤め上げた米山雅彦さんが53歳にして神戸で独立。12月7日、自身のお店「PanCalite(パンカリテ)」(神戸市灘区)をオープンする。

国産の食材にこだわり、農家から直接届く野菜や果物のおいしさを生かしたパンは、多くの人を魅了し、9店舗を展開していた「パンデュース」。そんなパンデュースのブランドを立ち上げから育てあげた米山さんは、今回の独立にあたり「以前から、いずれ自分が生まれ育った街で店を構えたいという思いがあったんです。最終形というと大袈裟なのですが、コロナ禍で緊急事態宣言を経て、子どもたちも成人して頼もしくなり、自分の年齢も考えた上で、人生をより楽しく過ごすという優先順位が高まってきたんです」と思いを話してくれた。

今回の店名の「Calite」は「糧」のこと。「かて」とも「かりて」とも読むことができ、フランス語での上質=qualite(カリテ)の意味が込められている。「笑顔の糧(カリテ)になるパン」を食卓に提供できればという想いとともに、1人でパンを焼いていく予定だ。営業は木〜土曜の週3日だけ、月・火曜にパン教室を開催し、水曜はパンを仕込み、日曜は自分のための時間を作る。

「そんなスタイルも自分の店だからできること。1人でパン作りに向き合うことも初めてのこと。いったいどんなパンを作っていけるか、1人でどんなことができるか、お客さまも自分も笑顔になれるパン作りを日々の糧にしたい」と米山さんは嬉しそうに笑う。

左から時計回りに、クルミのリュスティック300円、3種のレーズンルヴァン450円、クロワッサン300円、ベルギーのチョコを包んだプチパン・チョコっと280円

新店のために厳選した小麦粉は、石臼挽きのはるゆたか全粒粉、自然栽培の玄麦、ライ麦など全6種。さらに、自家製粉のための石臼機も導入して、パンに合わせて粉をブレンドして使いわける。米山さんの代表作の1つであるクープのないバゲット・ドゥミバゲット(160円)をはじめ、米山さん監修の北海道小麦ヒンナ、熊本県産ミナミノカオリをブレンドした冷蔵発酵バゲット(320円)、自家製粉の全粒粉配合生地に発酵バターを折り込んだをザクザク食感のクロワッサン(300円)、播州地鶏の卵黄のみで炊き上げたカスタードクリームたっぷりのクリームパン(300円)など、30~40種を予定している。

これまでの米山さんの名物メニューのひとつであった野菜をモリモリと盛り付けたタルティーヌ系とは方向性を変えて、「気に入った小麦を使って自分1人どんなことができるか、チャレンジしていきたいです。国産の全粒粉が上質になってきているので、どうやっておいしさを引き出していくかを考えるのが楽しくて!」と、どのパンも全粒粉を配合し小麦本来の香りや味わいを楽しめるものばかり。

4日に行われたプレオープン時には、早くもお客さんが多く訪れ、「このパンには全粒粉はどれくらい入っていますか?」と質問する60代の女性もいるなど、食材にこだわりがある人から早くも注目を集めていた。阪急六甲駅から徒歩約10分、バスの場合は篠原本町2丁目バス停下車、徒歩すぐ。営業時間は10時〜18時、日〜水曜休み。最新情報はインスタグラム(@pancalite)にて確認を。

取材・文・写真/いなだみほ

PanCalite

2024年12月7日オープン
住所:兵庫県神戸市灘区篠原本町3-8-23
時間:10:00~18:00 日~水曜休み
電話:070-9066-4604

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