80年間行方不明だった作品も…竹久夢二展が、大阪で開幕

7時間前

《秋のいこい》 1920(大正9)年 紙本着色 夢二郷土美術館蔵。実は《アマリリス》のモデルと同一人物

(写真13枚)

「大正ロマンの立役者」である画家・竹久夢二の企画展『生誕140年 YUMEJI 大正浪漫と新しい世界』が、1月18日に「あべのハルカス美術館」(大阪市阿倍野区)で開幕。幻といわれる作品含め、晩年にいたるまでの約180点が展示されている。

詩人を目指していたものの、挿絵など独学で学んだ絵が評判になり、雑誌・書籍などをきっかけに大衆から人気を得た夢二(1884〜1934)。彼の描いた美人画を見て、当時の女性たちが髪型や着こなしをマネするというトレンドセッターでもあった。

今回は、30点しか現存しない油彩画のうち13点、日本画を描いた屏風、関東大震災の記録用スケッチ、便せんなどの日用品、書籍、雑誌で描いたイラストなどを通じて、画家・イラストレーター・デザイナー・詩人に加え、ジャーナリストでもあった夢二のマルチぶりが伝わってくる。

同展で特に注目を集めているのが、夢二が長期滞在していたホテル「菊富士ホテル」のオーナーにお礼として贈られ、閉館後に80年も所在不明となっていた油彩画《アマリリス》。アメリカからの「夢二郷土美術館」宛に届いたフェイスブックを機に発見された、現存する唯一の外国人女性の裸婦画《西海岸の裸婦》。そして、夢二を看取った医院長に遺された、アメリカとヨーロッパの外遊時に描いたスケッチ19点の初公開だ。

80年間も行方不明だった《アマリリス》 1919(大正8)年頃油彩、カンヴァス 夢二郷土美術館蔵

今回は「夢二郷土美術館」の所蔵作品が主となり、同館の館長代理・学芸員の小嶋ひろみさんは、“夢二式美人”と呼ばれる女性を主題とした作品について、「単に美しい女性を描いているのではなく、人間の心情…ひと言であらわせないような深い感情が描かれています。中期の代表作《秋のいこい》は、情勢的にも苦しかった時代で、田舎から出稼ぎに来た女性の憂いなどを表現。社会の弱き立場に目を向け、大衆とともに生きた画家ということも知っていただきたいなと思います」と説明した。

グッズ売り場では、文房具ブランド「デルフォニックス」とのコラボノート(3種990円)、昭和レトロなグラスの器を展開する「アデリアレトロ」のゾンビーグラス(2個セット3000円)のほか、猫グッズコーナーも。期間は3月16日まで(無休)。時間は火曜〜金曜は10時〜20時、月・土・日・祝日は10時〜18時(入館は閉館30分前まで)。一般1700円ほか。

『生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界』

期間:2025年1月18日(土)〜3月16日(日)・会期中無休
時間:火〜金曜は10:00〜20:00、月・土・日・祝日は10:00〜18:00(入館は閉館30分前まで)
会場:あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区阿倍野筋1−1−43 あべのハルカス16F)
料金:一般1700円、大高生1300円、中小生500円
電話:06ー4399ー9050(あべのハルカス美術館)

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