大阪名門ホテルの新たな挑戦…野菜が主役「ヴィーガン」コース

17時間前

「ふかうら雪人参のババロア 八丁味噌のアクセントで 鶴の子大豆を使った自家製豆乳とハーブのマーブル仕立て」(1月16日・リーガロイヤルホテル)

(写真7枚)

先日1月16日、90周年を迎えた「リーガロイヤルホテル」(大阪市北区)。そのフレンチレストラン「THE RAY(ザ・レイ)」にて、新たに「ヴィーガンフルコース」がスタートした。ホテルのコースといえば、通常メインは肉や魚だが、これまでとはまったく異なるアプローチのコースをはじめた理由とは?

肉や魚、バターなど動物性食品を使用せず、動物や環境への負担に配慮した材料のみで構成される「ヴィーガン料理」。近年、世界的に「ヴィーガン」=「完全菜食主義」の人口は増加している。同レストランでは、それに対応しながら、ホテルらしい工夫を凝らした、上品で美しいメニューが楽しめる。

リバービューの明るい店内(1月16日・リーガロイヤルホテル)

ホテル総支配人の中川智子さんは「近年海外からのお客様が増えるなかで、ヴィーガンメニューの要望は多くいただいていましたが、大阪のホテルでヴィーガン対応のフルコースがいただけるところはあまりない。そのため『大阪・関西万博』でさらに多くの海外からのお客様が大阪にいらっしゃることを想定し、新たに始めました。完全菜食主義でない、健康志向の方などにも、幅広く楽しんでいただける内容となっていると思います」と自信をみせる。

ランチ・ディナーともに、ヴィーガンコースを用意。同テーブルで、通常のフレンチコースとヴィーガンコースのオーダーも可能で、食の嗜好を気にせず一緒に食事が楽しめるという。

支援の意味も込め能登の食材した「ポルチーニ茸と栗のパイ包み焼き 黒にんにく風味のビーツソース
石川県能登“あんがとう農園”の小さな花束を添えて」(1月16日・リーガロイヤルホテル)

今回はミニコースという形で試食。ヴィーガン料理には、肉や魚はもちろんバターや卵も使われないが、野菜をならべた、というようなメニューはなく、味も見た目も工夫が感じられ新鮮に感じた。こだわりの食材を無駄にすることなく使用した料理は、その工夫ゆえに「この食感は、なんだろう?」などと、どのテーブルも楽しい会話に包まれていた。

特にトリュフが香るじゃがいもと瀬戸内焼き海苔のミルフィーユに添えられていた折鶴は、「食べられるの?」と不安になるほどの繊細さに、サーブされると同時に各テーブルで驚きの声上がった。こちらは料理に使ったビーツの端材に火を入れて柔らかくしてシート状に伸ばし、ひとつひとつ折って作られている。最後はしっかり乾燥させているので、パリッとした食感が楽しめる。

赤い折り鶴がアクセント「トリュフ香るじゃが芋と瀬戸内焼海苔のミルフィーユロール 様々な調理法のパースニップとともに」(1月16日・リーガロイヤルホテル)

シェフの倉員直樹さんは「一番のこだわりは味です。ヴィーガンというと、おいしくないイメージもあると思うのですが、お肉などを使わずに、とにかくおいしいものを作っていこうと考えております。食材についても、生産者の元を訪れるなどし、こだわり抜きました」とし、今後の季節ごとのメニュー変更も視野に入れ、すでに100のメニュー構想があると話した。

ヴィーガンのコースという新たなチャレンジをした倉員直樹シェフ(1月16日・リーガロイヤルホテル)

「THE RAY」は、「リーガロイヤルホテル」アネックス7階。ヴィーガンコース「ランチ」8223円、「ディナー」1万3915円(ヴィーガン認証ワインなど1ドリンクつきは1万5180円)。

取材・文・写真/太田浩子

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