兵庫・淡路島で「幻のそうめん作り」、令和では珍しい手仕事を体験[PR]

5時間前
(写真9枚)

「幻のそうめん」の異名を持つ「淡路島の手延べそうめん」、食べたことはありますか? 生産量もごくわずかで、限られた場所でしか流通していないレアなそうめんなのです。そして淡路島は、古式伝来の「そうめん作り」が今もなお受け継がれる全国的にも珍しい地域・・・そんな貴重な「そうめん作り」、体験できる場がありました!

■ 漁師の副業として始まった!? 製造ピークは江戸時代

体験の舞台となるのは、淡路島最南端の南あわじ市にある福良地域。現在「淡路島手延べそうめん」を製造しているのは島内全体で11軒。うち10軒が福良に集中しており、このエリアの産業として古くから根付いています。

「実は淡路島手延べそうめんのルーツは、奈良の三輪そうめんにある」と教えてくれたのは、今回のそうめん作り体験でお世話になる、1865年創業の淡路島手延べそうめん製麺所「金山製麺」の6代目・金山守良(もりよし)さん。

その昔、お伊勢参り帰りに三輪そうめんに出合った「金山製麺」の祖先が製造技術を福良へ持ち帰ったところ、漁に出られない冬場におこなう漁師さんの副業としてそうめん作りが広まっていったそう。ピーク時の江戸時代には、福良だけで130軒もの製麺所があったとされています。「淡路島でそうめん?」と来る前はピンと来なかったけれど、歴史やルーツに触れ、すでにワクワク!


■ 製造工程は、繊細な「手仕事」の連続

淡路島の手延べそうめん製造過程についてのビデオを見ながら、金山さんが説明してくれます

体験は「淡路島手延べそうめん」の製造過程を知るところからスタート。「手延べそうめんの肝は『熟成』。深夜1時半から作業をし始め、そのうちおよそ8時間が熟成時間。だからできあがるまでに2昼夜かかるんです」と金山さん。

原材料は、小麦粉、塩、綿実油の3種類。まずは、小麦粉と食塩を合わせて生地を作り、麺状に。麺状になった生地3本を合わせてコシを出し、「淡路島手延べそうめん」特有の綿実油を塗って表面をコーティングし保湿します。

ここからが手延べそうめんづくりの肝!「熟成して伸ばす、熟成して伸ばす」をさまざまな方法で繰り返し、直径0.7~0.8mm、長さ約200cmになるまで延ばしていく・・・。ここを機械化せず、人の手で伸ばすのが手延べそうめん。この過程で「手作業」が多く残っている珍しい産地がここ、福良なのだそうです。

熟成の進行度合いは温度や湿度により繊細に変化することから、比較的熟成の進みが緩やかで生地が傷みにくい10月~4月までの限られた期間で1年分を製造しているそう。日々気候と対話しながら進める気が遠くなるような繊細な手仕事を知り、職人技に感銘を受けました。

■ 意外と体力勝負!? いざ体験!

一晩熟成された麺が2本の管にねじりながら8の字に掛けられています。これを約80cmまで引き延ばすのが「小引き」の工程

ここからは、「淡路島手延べそうめん」の代表銘柄「御陵糸(ごりょういと)」の製造過程の一部を体験。まずは、熟成された麺を約80cmまで引き伸ばす「小引き(こびき)」から。足で機械が浮かないように抑え、ぐぐっと後ろにもたれるように、上半身全体を使って伸ばしていく。腕の筋肉、そして腹筋・背筋と全身の筋肉を使うので、意外とキツい・・・!

金山さんのお手本を見て、見よう見まねでチャレンジ!職人さんたちがこの作業を毎日こなしていると思うと、自分の日々の運動不足を痛感しました

続いて「小引き」の次の工程「門干し(かどほし)」も体験。さらに熟成させた麺を長いハシ2本で上下に分けながら引き延ばします。意外に切れないことに驚き!

ハシ1本をまっすぐ入れ、少ーしスライドし上下に引き離して空間を空ける。空いた空間に2本目のハシを入れ、絡みをほどいていきます

ここからは、8の字で絡まった麺を2本のハシでさばきます。ほどけるときの感覚がなんとなく「裂けるチーズ」が裂けていくようで気持ち良い!反対側までほどけたら、また反対側から同じ作業を繰り返します。

最終的に200cm以上まで伸びるそう。さらさらになった麺をみると、なんだか達成感!

■ より大切に食べたくなる…いざ実食!

製麺されたそうめんは、卸売店や飲食店、宿泊施設へ。ただ全国の生産量の0.5%未満と非常に貴重であることから、私たちが普段の生活で目に触れることはなかなかに少ないそう。だからこそ、体験後に「金山製麺」が手がけた手延べそうめんが楽しめる「鯛にゅうめん」食事券付プランがおすすめです。

「手延べそうめん処 ら福」

体験後、車で5分ほどの場所にある製麺所直営の「手延べそうめん処 ら福」に移動。「鯛にゅうめん」は、鯛が1匹豪快にのった淡路島の郷土料理「鯛めん」をシンプルに、食べやすくアレンジした料理だそう。手間暇かけて丁寧に作られた手延べそうめんに、素揚げされた鳴門産の鯛がトッピングされたメニューです。

「鯛にゅうめん」(950円)。淡路島手延べそうめんは、細麺が特徴。ほどよくコシがあり、お出汁の効いたスープがよく辛んで冷えた身体を温めてくれました

いつもスルスルと食べていたはずのお手軽なにゅうめん。実際に製造過程を体験すると、その繊細さと力仕事に「もっと大切に食べたい!」と思えるように。「目に触れることがなかなかないと思うので、楽しく体験してもらいたい。手間暇をかけてそうめんができていることを知り、『大事に食べよう』というお声をいただけると職人としてうれしく思う」と金山さんは話します。

体験は、基本的に手ぶらでOK。古くから伝わるそうめんづくりの体験は、スカートは避けて、動きやすい服装で行くのが吉。私たちが日々いただいている食材や食品は、誰かがどこかで心を込めて作ってくれている・・・。そんなことを改めて実感できる貴重な体験をぜひ淡路島で!

『手延べそうめんづくり体験(鯛にゅうめん食事券付き)』
日時:4月26日までの土曜日(2月8日、15日、22日、3月1日、8日、15日、22日、29日、4月5日、12日、19日、26日)
時間:10:50~(2時間半程度)
料金:鯛にゅうめん食事券付きプラン 4700円/人(小学4年生以上)
   ※1日1グループ限定。1グループ1~10名
   ※体験料、材料費、手延べそうめん処 ら福昼食代(鯛にゅうめん)

2025年に開催される『大阪・関西万博』を契機として、多くの方々に淡路島に訪れていただくため、多彩な観光コンテンツやイベントを展開する『AWAJI 島博』の開催が決定!今回紹介した体験ツアーのような、食を支える農業・漁業・畜産業、瓦などの地場産業など、「淡路島でしか味わえない体験」を堪能できる体験コンテンツを多数取り揃えます。

取材・文/宮口佑香 写真/本郷淳三
提供/淡路島観光協会

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