本と食の棚戦略 ジュンク堂で初試み

2016.2.15 11:16

著者の木村緑さんと「room cafeロカ」店内

(写真2枚)

この出版不況のなか、いかにお客さんに本を手にとってもらうか。各書店が四苦八苦しながら、さまざまなアイデアを投じている「棚」戦略において、大阪市中央区にある「ジュンク堂書店 千日前店」のフェアが話題となっている。

フェアの対象となっているのは、木村緑さん著の『ロカの弁当』『ロカの定食』(京阪神エルマガジン社刊)。「ロカ」とは、木村さんが営んでいた(現在休業中)大阪市新町の人気食堂「room cafeロカ」のことで、書籍は見た目も栄養バランスもおいしいと評判だった木村さんのレシピノートをまとめたものとなっている。

この書籍に着目した「ジュンク堂書店 千日前店」の圓岡有夏さんは、「レシピ本だけに、食品を一緒に扱ったフェアにしたい。市販されているものなら簡単だが、それならどこの書店にもできる」と、今回のフェアのためだけに、木村さんにオリジナル・メニューを作ってくれないかとダメもとで提案。ちょうど、新店を出す準備をしていた木村さんは、今ならばと快諾。今回のフェアが実現した。

そのメニューは、実際に「room cafeロカ」の日替わり定食で使われている「ロカの煮込みソース」と、『ロカの弁当』で紹介されている「ロカのくるみの甘辛」の2品。いずれも、商品化はされておらず、このフェアのためだけに木村さんが作ったオリジナルとなっている。

書籍にまつわる食品をフェアのためにオリジナルで考案
書籍にまつわる食品をフェアのためにオリジナルで考案

現在開催中のフェアは、料理好きの女性客だけでなく、男性客も思わず立ち止まるほど好評だそうで、圓岡さんは「今回は数あるフェアのなかでも、初めての試み。お客様の反応をうかがっていると、ロカさんに行ったことがある方には懐かしさと親しみを、初めての方にも驚きと発見を提供することができたと思います。書店員としてもワクワクしました」と手応えを感じたという。

フェアは2月末までの開催されているものの、「ロカのくるみの甘辛」「ロカの煮込みソース」は両方とも数に限りがあるため、無くなり次第終了だとか(各410円)。『ロカの弁当』『ロカの定食』ともに1,296円。

「ジュンク堂書店 千日前店」

住所:大阪市中央区難波千日前12-7 Y.E.S.NAMBAビル1~3F
営業:10:00〜21:00 ※無休
電話:06-6635-5330

「ジュンク堂書店 千日前店」

『ロカの定食』

「ジュンク堂書店 千日前店」

『ロカの弁当』

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